コンテンツSEOによるマーケティングを成功させるためには、適切な「SEOキーワード」の選定が重要です。キーワード選定のポイントを押さえることで、記事コンテンツの制作効率が高まり、成果向上につながりやすくなります。
本記事では、マーケティングで成果を出すために実施すべきSEOキーワードの選定手順や方法を解説し、おすすめの選定ツール5選を紹介します。
SEOキーワードとは
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SEOキーワードとは、検索結果からの流入を目的としたWebページを作成・更新する際に、ユーザーの検索クエリ(検索語句)に合わせて選定するキーワードのことです。
たとえば、自社で扱う商品をWeb上で販売したい場合、購買意欲を高められる検索クエリをリサーチし、対策するキーワードを決定します。そのキーワードに合わせて商品ページのタイトル文言の変更や、記事コンテンツの作成を行います。
SEOキーワードの重要性
検索エンジンから検索語句との関連性が高い記事だと評価され、検索結果で上位に表示されることを狙うのが、SEOキーワードを選定する理由です。
自社のブランドや商品・サービスの認知度が高ければ、ユーザーは自らブランド名や商品・サービス名を検索してくれるでしょう。しかし、認知度が低い場合には、もっと広範な検索クエリからアクセスを集めて自社の存在を知らせ、魅力を伝えなければなりません。そのためには、より多くのユーザーとの接点の役割を果たすSEO記事の制作が効果的です。
とくにSEOキーワードの選定は非常に重要です。ターゲットが検索するキーワードで記事を作成し、役立つコンテンツを提供することで、検索結果の上位表示につながります。上位表示が実現すれば、より多くの顧客へ訴求できるようになるでしょう。
ビッグキーワード・ミドルキーワード・スモールキーワード
SEOキーワードには、検索ボリューム(検索数)が多いものから順に「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「スモールキーワード」の区別があります。SEOキーワードを選定する際には、ビッグキーワードとミドルキーワード、スモールキーワードの理解が重要です。
一般的にビッグキーワードでの上位表示は難しいため、ミドルキーワードやスモールキーワードの戦略策定から進めていくことが推奨されます。
ビッグキーワード
ビッグキーワードとは、月間検索ボリュームが1万以上で、一般的に幅広いトピックを指す大きなキーワードを指します。「健康」や「旅行」などおもに1語のキーワードで、広範囲なテーマをカバーする言葉です。
競合サイトが多くなるため上位表示は困難ですが、成功すれば集客数の増加と認知度のアップが期待できます。ただし、ユーザーニーズは分散しやすく、コンバージョンに結びつきにくい側面があります。
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、ビッグキーワードとロングテールキーワードの中間にあたるキーワードです。月間検索ボリュームは1,000~10,000未満となります。「健康 食事」や「旅行 国内 カップル」など2〜3語で構成されたキーワードで、ユーザーニーズに最適化しやすいキーワード群です。中規模のトラフィックと一定のコンバージョン率を達成するのに適しています。
スモールキーワード(≒ロングテールキーワード)
スモールキーワードは、検索ボリュームが1,000未満で、より詳細なトピックやニーズに対応するキーワードです。たとえば、「健康 食事 簡単」や「卒業旅行 国内 カップル」といった3語以上のキーワードが該当します。
スモールキーワードの検索ボリュームは少ないものの競争率が低く、具体的なニーズを持つユーザーをターゲットにしやすいため、高いコンバージョン率を期待できます。SEO戦略では、さまざまなロングテールキーワードに対応した記事を用意することで、幅広いニーズに応えることが可能です。
4つの検索クエリ
クエリには「問い合わせ」や「質問」という意味があります。つまり、検索クエリはユーザーが検索エンジンに尋ねたい言葉であり、入力欄に打ち込む文字列のことです。検索クエリは以下の4つに分けられます。
Knowクエリ
特定の情報や知識を得るための検索語句です。「歴史 弥生時代」や「ペンギンアップデートとは」といった、リサーチや学習、確認のために検索されるクエリを指します。
Goクエリ
特定のWebサイトやページに直接アクセスしたいとき、あるいは実在の場所へ行きたいときに検索されるクエリです。具体例としては、「YouTube」や「Amazon」、「渋谷 カフェ おすすめ」などが挙げられます。
Doクエリ
Doクエリは、何か行動するための情報を求める検索語句です。「ハンバーグ レシピ」や「壁紙 DIY」など、具体的な活動やタスクの実行方法に関する情報が当てはまります。
Buyクエリ
購入意図を持った検索で、特定の商品やサービスを購入・契約したい場合に使われます。たとえば「最新 スマホ 最安」や「ホテル 予約」などで、コンバージョンが期待できるクエリです。
検索クエリに関する記事
SEOキーワードの選定手順とポイント
実際にSEOキーワードを選定する際は、サイトの目的や方向性を明確にしたうえで、そのテーマやコンセプトに沿った語句を選ぶことが肝心です。以下で、具体的な手順とポイントを解説します。
サイトの目的や方向性を明確にする
Webサイトの制作段階で、目的や方向性を確認します。資料請求やリード獲得、認知度向上など目的はさまざまですが、明確にしておくことが大切です。そこからサイトの全体の主要なテーマが決まり、そのサイトの軸となる「メインキーワード」も定まります。メインキーワードから関連キーワードが派生的に広がり、カテゴリ別の記事群が出来上がっていくイメージです。
また、Webサイトの「想定読者」を設定することも重要です。大まかな読者層である「ターゲット」を決め、さらに具体的な人物像となる「ペルソナ」をつくります。BtoBの場合は、問い合わせをしてくれる個人ペルソナ(取引先担当者)のほかに、法人ペルソナ(取引先企業・組織像)も設定しましょう。
検索ボリュームを確認しながらキーワードを選定する
ターゲット、あるいはペルソナが抱えている課題や悩み事を想定し、キーワードを選定します。通常、検索クエリにはユーザーの「検索意図」が込められているため、その意図を読み解くことで課題や悩み事の推測が可能です。その際、関連キーワードも含めて、どのようなワードとフレーズが同時に検索されているかも把握するとよいでしょう。Google検索では「Googleサジェスト(オートコンプリート機能)」や「関連する質問」、「関連性の高い検索」で確認できます。
SEOキーワードは、検索ボリュームを見ながら選定するのが基本です。ビッグキーワードばかりを選ぶと上位表示は難しいため、キーワード選定の大部分はミドルキーワードやロングテールキーワードの中から勝算のあるものを探します。
また、Knowクエリのワードは集客向き、DoクエリやBuyクエリのワードはコンバージョン向きであることも考慮します。もちろん、Webサイトの目的と想定読者のニーズに合致していることが大前提です。
> ロングテールキーワードを探すときのポイントとは?使い方・ツール紹介
不自然とならないようにキーワードを使用した構成を作成する
SEOキーワードが決まった後は、記事構成を決めていきます。タイトルや見出し、本文にキーワードを盛り込み、ユーザーニーズに応えるコンテンツを制作します。しかし、不自然なほどキーワードを詰め込むのは逆効果です。読みにくい文章や理解しにくいコンテンツは離脱されやすいため、検索エンジンによる評価が下がってしまいます。十分な量のキーワードを使用しつつ、分かりやすい内容にする構成力が必要です。
また、メインのSEOキーワードだけでなく、関連ワードや共起語(特定のキーワードと同時に出現しやすいワード)も盛り込むと、記事の関連性や専門性を高める効果が期待できます。このように、SEOキーワードや関連ワード、共起語を使用して記事を構成し、読者ニーズに沿って違和感なく読みやすい文章を作成することを「SEOライティング」といいます。
SEOライティングについては、以下の記事もご覧ください。
>「SEOライティングとは?上位表示させる5つのポイントと具体的なコツを解説」
SEOキーワードの選定方法
SEOキーワードの選定方法には、次の3つがあります。
- キーワード選定ツールを使って探す
- カスタマージャーニーを基に考え出す
- ● 専門家及びユーザーにヒアリングする
最終的にはさらに細分化するため、目的やニーズによってキーワード選定の方法を選択します。また、キーワード選定の優先順位は、サイトの規模によって異なることにも留意してください。
キーワード選定ツールを使って探す
1つ目は、無料や有料のキーワード選定ツールを使って探し出す方法です。たとえば、「マーケティング」と打ち込むだけで、「マーケティング 費用」「マーケティング やり方」など、関連するキーワードをひと通り洗い出してくれるツールがあります。また、競合サイトのURLを打ち込むだけで、そのサイトが上位表示しているキーワードを抽出してくれるツールも存在します。
キーワード選定ツールを使えば、簡単かる効率的に、たくさんのキーワードを洗い出すことができます。一方で、多くの事業者がツールを使用してキーワード選定をしているため、SEOキーワードが被りやすい点に注意が必要です。
カスタマージャーニーをもとに考え出す
2つ目に、カスタマージャーニーを基に、ユーザーがどのような疑問を抱きやすいかを想定してキーワードを考える方法があります。カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購買に至るまでの道筋のことを指します。
自社顧客のカスタマージャーニーを明確にするには、「認知・興味関心」「比較検討」などの横軸と、「顧客の思考」や「行動」をはじめとした縦軸で構成する「カスタマージャーニーマップ」を作成する必要があります。横軸の各プロセスにおいて、消費者や決裁者が抱く悩みを想定し、その語句をSEOキーワードとして設定する流れです。
カスタマージャーニーをもとに考え出す方法であれば、キーワード選定ツールで探しにくい、競合が少なく購買につながりやすいキーワードを発見できます。なお、カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
> カスタマージャーニーとは? 作り方の手順と陥りやすい失敗を解説
専門家及びユーザーにヒアリングする
キーワード選定ツールやカスタマージャーニーマップを使えば、機械的にキーワードを選定することができます。さらに精度を高めたい場合は、SEOのスペシャリストや業界の専門家にアドバイスをもらうのがおすすめです。競合サイトが気づいていないような、有力なキーワードを見つけるヒントになります。
もしくは、アンケートなどでユーザーに直接ヒアリングしたり、調査会社などからユーザーニーズのデータを取得したりといった方法もあります。ユーザーの生の声を分析することで、良質なSEOキーワードを発見することも少なくありません。手間がかかる作業ですが、検索順位の上昇が期待できる有効な方法です。
SEOキーワードの選定ツールおすすめ5選
以下では、SEOキーワードの選定ができるおすすめの無料・有料のツールを5つご紹介いたします。まずは無料のツールを試し、必要に応じて有料ツールを検討してみるのがよいでしょう。
Google キーワードプランナー
Google キーワードプランナーは、Googleが提供しているリスティング広告用のキーワード選定ツールです。本来はGoogle 広告を利用する方向けに提供しているサービスです。
実際に調査できるのは、キーワードの検索ボリュームや関連キーワード、広告の入札単価などです。特に、広告の入札単価が高いキーワードは、高いお金を払ってでも広告を表示したいと考える広告主が多いことを意味し、顧客の購買行動につながりやすいワードであると推測することができます。
Google キーワードプランナーは、月間検索数を調査することが可能ですが、広告を出稿していない方は、「100~1,000」など、大まかな範囲でしか把握できない点に注意しましょう。
- 検索エンジントップシェアのGoogleが提供
- 本来はリスティング広告出稿向けのキーワード調査ツール
- 月間検索ボリューム、クリック単価、競合性なども知ることができる
- 地域、言語、検索ネットワーク別にキーワード候補を取得可能
- 関連キーワードの提案機能もあり、SEO記事の執筆に役立つ
【関連記事】【2022年最新版】キーワードプランナーの使い方・KWを見つけるポイント
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、ラッコ株式会社が提供する、コンテンツ制作者向けのキーワードリサーチツールです。Googleをはじめとした各検索エンジンのサジェストワードを調査したり、関連するQ&Aコンテンツを一覧で表示したり、共起語や類語・同義語を抽出したりと、幅広い用途で使用することができます。
たとえば、「サジェストキーワード」の機能を使って「マーケティング」と検索すると、「マーケティングとは 仕事」「マーケティングとは簡単に」など、関連した語句が複数表示されます。ひとつのテーマから連想されるキーワードを一度に洗い出したいときに役立つツールです。
- キーワード調査に特化したコンテンツ制作支援ツール
- 多様な検索エンジンのサジェストキーワードを抽出できる
- 上位記事の見出しや共起語、周辺語、連想語なども抽出可能
- 無料で利用可能(使用回数に上限あり)
- 有料版には限定機能がある
Google トレンド
Google トレンドは、今、最も検索されているキーワードを調査できるGoogleの無料ツールです。検索窓に特定の語句を打ち込めば、過去30日や1年間など、時系列での検索数が折れ線グラフで確認できます。
話題性のあるSEOキーワードを見つけて、いち早くコンテンツを作成すれば、短期的に大きなアクセスにつながる可能性もあるでしょう。
- あらゆるキーワードの検索トレンドをリアルタイムで測定するツール
- 国や地域、期間による比較も可能
- 時系列に沿った需要変動のグラフを確認できる
- 過去のトレンドキーワードや未来予測キーワードも調べられる
- 無料で利用可能
> Googleトレンドの使い方 トレンドキーワードを見つける手順とは
キーワードファインダー
キーワードファインダーは、株式会社ディーボが提供する有料のSEOキーワード選定ツールです。検索キーワードをマインドマップで視覚的に表示・分類したり、自社のサイト・コンテンツにもとづき、おすすめのSEOキーワードを自動で取得したり、月間検索数を調べたりと、多彩な用途で利用することができます。
すでにメディアを運用している場合は、自社のCVにつながったキーワードを表示することも可能です。ほかにも、競合サイトの人気キーワードを調査・分析できるなど、多角的な視点からSEOキーワードを探すことができます。
- キーワードボリュームや競争率、関連キーワードなどを調査するツール
- SEO難易度や関連性スコアといった独自機能を搭載
- Googleアナリティクスと連携可能
- コンテンツのSEOスコアも確認できる
- 無料デモ体験で使用感を確かめられる
ahrefs(エイチレフス)
ahrefs(エイチレフス)は、Ahrefs Pte.Ltdが提供するSEO分析ツールで、世界各国で利用されています。主な機能は被リンク分析、検索エンジンの上位表示コンテンツ、想定流入キーワードなど多岐にわたります。ahrefsの特長はこの機能が、自社サイトだけでなくあらゆる競合サイトの調査でも利用できる点です。
自社と競合を多角的に分析ができるので、流入が期待できるキーワードを見つけ、効果的なコンテンツ制作できるでしょう。有料ではありますが、月額12,500円から始めることができます。
- 世界的に人気のある高機能な有料SEOツール
- 海外サービスだが日本語版あり
- キーワードボリューム、競争率、関連キーワードなどを調査可能
- 競合サイトの流入キーワードを調べられる
- 被リンク分析機能も備えている
- 時間経過に伴うランキングの変動をグラフ化
> 入門者向け!SEOで欠かせないAhrefsの項目別使い方
まとめ:SEOキーワードを正しく選定し集客につなげよう
SEO対策をする際は、正しい手順で進めていくのが重要です。具体的には、サイトの目的や方向性を明確にし、選定ツールやカスタマージャーニーマップを用いて行いましょう。
選定ツールは、自社の目的や予算に応じて無料・有料のサービスを使い分けることが肝心です。SEOキーワードを正しい方法で選定し、成果につながる記事コンテンツの制作を進めましょう。
SEデザインでは、「SEO記事制作・作成サービス」をはじめとしたさまざまなコンテンツマーケティング支援を行っております。集客やリード育成にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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