自社の製品やソリューションを顧客に向けてアピールする時に有効な導入事例コンテンツ。SEデザインが実施したアンケート調査によると、導入事例を参考にする人の割合は64%にものぼります。サービスやツールの導入を検討する際には価格やサービス内容に次いで参考にされている情報であり、いかに重要なコンテンツかがお分かりいただけるでしょう。
導入事例の効果・メリットはさまざまあります。さらに、最近のマーケティングにおける動画コンテンツの重要性から、導入事例をインタビュー動画として制作したいということも増えてきました。本記事では、実際の制作の進め方とともにチェックしておきたいポイントをご紹介します。併せて、参考となる導入事例のインタビュー動画の実例も集めました。制作にあたって頭の片隅に入れておくと、制作や進行がスムーズに進められると思います。
SEデザインは、年間100件以上、累計2,500件以上もの導入事例を制作しており、特にIT業界の知見や実績が豊富で、高い評価をいただいております。導入事例の制作をお考えであれば、SEデザインにお気軽にご相談ください。
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導入事例インタビュー動画の今
自社の製品やソリューションをアピールする上で、実際の使用感をユーザーや顧客にダイレクトに語ってもらう「導入事例インタビュー動画」は、導入事例コンテンツの中でも訴求力の高いものになります。
動画コンテンツがマーケティングの主流へと推移していることもあり、インタビュー形式やテレビ番組風のものから、CGやアニメーションで制作したものまで、多くの企業でさまざまな導入事例インタビュー動画が制作され、企業のサイトやYouTubeなどの動画共有サイトに掲載されています。
■ Google 動画検索「導入事例」
■ YouTube「導入事例」
導入事例をインタビュー動画として制作するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。次章で紹介します。
導入事例インタビュー動画のメリット
導入事例をインタビュー動画で制作することにはどのような効果があるのでしょうか。動画ならではのメリットをまとめました。
視覚情報により説得力が増し、対象顧客から共感を得られる
導入事例インタビュー動画の最大のメリットは、実際に商品やサービスを利用している企業の声を伝えることで、強い説得力を与えられる点です。
視聴者は自分自身を重ね合わせやすくなり、より深い共感を得ることができます。また、成功事例がビジュアル化されることで、言葉だけでは伝えきれない実績を具体的に示すことができ、ターゲット顧客に対して有力なアピールポイントとなります。言葉による説明ではわかりにくいソフトウェアの仕組みなども、動画であれならばダイレクトに伝えることができます。
短い時間で商材の情報を多く伝えることができる
動画は、視覚と音声の両方を使うため、短時間で多くの情報を効率的に伝えることができます。文章や静止画では伝わりにくい商材の操作性や導入後の変化、利用のメリットなども、直感的に視覚的に伝えることが可能です。
また、時間が限られたビジネスの現場や意思決定者にとっては、短い時間で多くの情報を得られるため、効果的なコンテンツとなります。
SNSで広めてもらえる可能性がある
導入事例インタビュー動画はSNSとの相性が非常に良く、視聴者が共感を感じた場合、積極的にシェアされる可能性があります。
「この商品やサービスを試してみたい」と思われる内容であれば、自然な形で広がっていくでしょう。動画が多くの人にシェアされることで、企業は広告費をかけずに見込み顧客を増やすことができます。さらに、SNS上での反響やコメントを通じて、視聴者の声を直接収集し、マーケティング施策に反映させることも可能です。
導入事例動画制作の進め方とポイント
導入事例のインタビュー動画制作においては、従来の導入事例紹介に動画制作のステップが加わります。ここでは、動画の制作にどのように取り組むのかも含め、導入事例インタビュー動画制作の進め方について具体的に説明します。
1. 導入事例の基本を決める
動画に限らず、まず、導入事例を制作する際に決める事項が3点あります。
- 誰にむけた導入事例なのか
- 何を訴求するのか
- 誰に語ってもらうのか
1つ目は、制作する導入事例のターゲット設定です。男性なのか女性なのか、若い人なのか年配の方なのか、組織の中で企画をする人なのか、最終的な決定をする人なのか。導入事例のスタイルやデザインを決める上での重要なポイントです。
2つ目は、自社の製品やソリューションにおいて、どの部分をピックアップしてアピールするのか、という訴求内容の決定です。コスト、使いやすさ、導入の容易さ、性能の高さ、他にはない特長など、アピールする部分の絞り込みを行います。
3つ目は、他の2つとも関連しますが、導入事例へ登場する人物の選定です。導入事例の基本は製品やソリューションの使用者(お客様)に登場してもらうことです。ターゲットやアピールするポイントによって、導入や購入を決定した人なのか、現場で使っている人なのか、あるいは社長や役員といった人が有効な場合もあります。
こうした基本設定が整ったら、取材依頼時の準備もスムーズに進めたいところです。導入事例の取材依頼に必要な準備も確認し、スムーズな進行を目指しましょう。
2. 導入事例インタビュー動画の構成を検討する
導入事例制作において、基本の3つが決まったらコンテンツ構成を検討しましょう。基本的な導入事例コンテンツの構成は、 動画・印刷物・Webページなどチャネルにかかわらず、下記の5点です。
【導入事例インタビュー動画の構成】
- 導入事例に登場するユーザーや企業の紹介
- ユーザーや企業が抱えていた課題
- その課題を解決した製品やソリューションの紹介
- 課題解決の方法
- 導入事例のまとめ
順番や紹介方法はいろいろありますが、この5つが揃っていれば導入事例として成立します。導入事例の書き方やストーリーを確認し、魅力的なコンテンツづくりを目指しましょう。どの部分をどのような形でふくらませるかは、導入事例制作にかけられる時間や取材内容などによって調整しましょう。
実際の取材に向けて、インタビューの質問も整理し、質の高い対話に備えてください。
3. 導入事例インタビュー動画の費用を決める
実際の導入事例動画制作にあたり、一番気になる部分は費用ではないでしょうか。動画制作の費用が下がってきたとはいえ、動画の制作費はPDFやWebページなどと比べると高額です。
導入事例動画を制作する上で、見積もりを依頼した際に提示される主な項目を紹介します。
- 企画構成費
- シナリオ・コンテ制作費
- 撮影費(スタッフ○○名・使用機材)
- 編集費(スタジオ○○時間・編集スタッフ○名)
- 素材購入費
- ナレーション費(ナレーター○○名)
- BGM費(制作・購入費)
- エンコード費
役者を使用したり、CGを使った場合などはさらに項目が追加されますが、基本的にはこのような項目が動画の制作見積もりで提示されます。そのうえで現在では、たとえば制作会社が用意するテンプレートに沿ったものであれば、比較的安価に導入事例動画制作が可能です。
一方、動画制作は費用をかければ、それに比例して完成時のクオリティが高くなります。下がってきている動画制作費というのは「低い品質でも最低限コンテンツとして成立する」から、という面が大きいため、競合のコンテンツと比べて品質を向上させるには、ある程度のコストを検討する必要があるでしょう。
たとえば、動画の撮影に日数をかける、撮影時にキレイに撮れるように、カメラを良い物にする、照明やプロのメイクを入れる、編集時にすこし凝った演出を入れる、独自の構成にするなどで、動画として見やすく飽きにくいコンテンツにすることができます。
4. 撮影時に訴求したい「もの」や語ってもらいたい「人」を決める
導入事例にするコンテンツ、費用が決定したら、動画の撮影準備を行います。動画コンテンツは、当たり前ですが全てを映像として作る必要があります。そのため、どれだけ「素材」としての動画を撮影することができるのか、制作する導入事例動画で使うことのできる既存の「素材」がどれだけあるか、ということが重要になります。
「1. 導入事例の基本を決める」の部分でご紹介した、「何を訴求するのか」「誰に語ってもらうのか」というのが、この時に大きく影響します。
導入事例は、基本的に自社のユーザーや顧客企業にご協力をお願いするため、撮影したいものや人もユーザーや顧客企業に存在していることが必然的に多くなります。
導入事例動画の撮影にあたっては、事前に「訴求したいもの」が撮影可能か、「語ってもらいたい人」に撮影に協力してもらえるかを確認しましょう。
そして、場合によっては「訴求したいもの」や「語ってもらいたい人」を変更したり、撮影ではなくCGやアニメーションにするなど、別の方法も検討しましょう。
5. 撮影時の許可と申請を行う
撮影するものや人が決まった後、スムーズに撮影する際の調整や準備を行います。ここで重要となるのが、「許可」と「申請」です。取材依頼時点で相手に伝えるべきポイントを整理しておくことで、当日の許可や申請が円滑になります。取材依頼時に伝えるべき重要事項も併せてご確認ください。
動画の撮影は多くのスタッフが協力して行います。基本的には「カメラマン」「ディレクター」「アシスタント」の3名、音声が必要な場合は「音声スタッフ」も入れて4名が最小ユニットとなります。大型の台車2台分ほどの撮影機材を使用することもあります。
動画撮影時には、多くの人と機材が移動するため、撮影場所にあらかじめそのことを伝え、準備をしてもらうとスムーズです。特に撮影場所や人に時間的な制限がある場合が多いので、その点も事前に確認しましょう。
一般的な企業で撮影する場合に必要となる、確認事項として以下をご紹介します。
- 撮影機材を搬入する「許可」や「申請」の有無と搬入方法
- 撮影スタッフが撮影先で移動する「許可」や「申請」の有無
- 撮影場所とは別に、撮影機材を置くための場所の確保
- 撮影するモノや人がいる場所が撮影に向いているかの確認
- 撮影するモノや人がいる場所に立ち入る「許可」や「申請」と時間的な制限などの確認
動画撮影に適した場所かどうかは、できれば「ロケハン」として撮影スタッフに直接確認してもらうと、撮影方法の事前確認などもできますし、当日の移動もよりスムーズに行うことができます。
撮影当日は、主にディレクターが撮影を進行します。依頼主の方は必要に応じてディレクターに声をかけていただきながら、撮影に立会いましょう。
6. 動画の編集と確認を行う
撮影が終われば、導入事例動画制作も8割がた完成です。後は撮影した素材と、それ以外の素材を組み合わせて動画を編集し、関係者への確認を行います。
編集における流れと、その段階で確認する項目をご紹介します。
- 音声の書き起こし
撮影した中から音声として使用する部分をテキスト化、音声として使用NGなものなどを確認する - 粗編集版の制作
演出などを入れずに、音声部分や要素だけをつないだバージョンを作成して、動画の構成と長さを確認する - ナレーション原稿の作成
粗編集版で確認した構成と長さに合わせた、ナレーションテキストを確認 - プレビュー版の制作
動画の構成や長さ、撮影時の音声や画面表示する肩書やテロップなどのテキストを確認 - ナレーション収録/MA
ナレーションで使用する語句のイントネーションやBGMなどを確認 - 最終版の制作
ナレーションテキストを含めた画面と音声の最終確認
撮影にご協力いただいたユーザーや顧客にどの段階で確認するかは、そのユーザーや顧客との関係によって変わります。適切なタイミングを見計らいましょう。
ただし、ナレーションを収録してしまうと、構成などを含めて動画の修正が難しくなることが多いです。ユーザーや顧客に確認が必要な場合は、ナレーションが入っていないプレビュー版より以前の段階で行うのがおすすめです。
最終版の確認が終われば、導入事例動画の完成です。
撮影や編集の難易度にもよりますが、導入事例インタビュー動画の制作期間は企画からおおよ1.5カ月が目安となりますが、プロジェクトによっては半年ほどかかる場合もあります。そのなかで6割は事前準備の期間で、2割が撮影期間、残りの2割が編集と確認の期間です。
ほかのコンテンツと比べて、確認する項目も多く、制作期間の長さもあり、導入事例インタビュー動画はまだハードルが高いと思われるかもしれません。
しかし、導入事例インタビュー動画はそのハードルを超えるだけの高い訴求力と大きく広がる活用方法があります。ウェブサイトや動画共有サイトに掲載するだけではなく、イベントやセミナーで流したり、SNSでの拡散やデジタルサイネージと組み合わせることも、いまでは容易になっています。
多岐に渡るマーケティング資産として、ぜひ貴社の製品やソリューションの「訴求したいもの」や「語って欲しいお客様」を見つけて、魅力的な導入事例インタビュー動画を制作してみましょう。
導入事例インタビュー動画の活用事例4選
導入事例を効果的に取り入れている企業を4つピックアップしました。自社の導入事例インタビュー動画を作成する際の参考にしてください。
キントーン
生産管理や人事管理をサポートするキントーンの導入事例動画をYouTube上で公開しています。一般企業だけでなく、農業や保育園、NPO法人など、さまざまなジャンルの事例があるので、自社と近い業界・業種の事例が探しやすいでしょう。
動画では、キントーン導入前の社内連絡の方法と、キントーン導入後の連絡方法を、言葉だけではなく、イラストでも可視化し、どのように改善されたかが、耳でも目でも理解できるように工夫されています。
トヨタL&F
トヨタL&Fの導入事例動画は、小売チェーンや倉庫など、大手有名企業の物流倉庫や入出庫ラインを映し、具体的にどこでトヨタL&Fのフォークリフトやラックが活用されているかを映しています。単に、導入商品を紹介するだけでなく、大規模なラック設置の途中経過も動画で紹介されており、イメージをつかみやすくなっています。
NTT西日本
NTT西日本の導入事例動画では、同社が推進するICTを活用した事例を紹介しています。多くの事例が掲載されていますが、サービスや業種から絞り込むことができるので、自社と共通する事例を簡単に探すことができます。導入事例紹介動画は、導入企業ごとに作られているのではなく、「オフィス業務DX化」「AIを活用したまちづくり」「教育DX」などとジャンルごとに作られています。見る側が、自社の課題とすぐに結びつけ、参考にすることができます。
Firework
Fireworkの導入事例動画は、同社の動画ソリューションを導入した企業の担当者のインタビューを集めています。インタビュー動画は縦長のショート動画になっており、短い尺の中で、Fireworkのソリューションがどこに活用されているのかが分かる内容になっています。
ショート動画やライブコマースを検討している担当者は、社内だけではなく、移動時間にもスマートフォンから見ている可能性があり、ショート動画による導入事例インタビュー動画は、実際の制作動画サンプルになるとともに、移動時間に検索するというニーズにも訴求ができています。
導入事例制作はSEデザインにお任せください
私たちSEデザインは、40年以上にわたり外資系大手IT企業のコンテンツマーケティング支援を行ってまいりました。特にIT業界の導入事例制作においては、豊富な実績と深い業界理解、そしてITに関する高度な知見を持ち合わせています。また、「お客様のお客様」と数多く接することで、顧客のペルソナを深く理解していることも私たちの大きな強みです。
導入事例制作でお悩みの際は、ぜひSEデザインにお任せください。貴社の魅力を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。