インタビュー記事の書き方を徹底解説!事前準備や取材時のコツは?

更新日:2025-04-08 公開日:2025-04-08 by SEデザイン編集部

目次

インタビュー記事は、企業のブランドイメージ向上や、顧客との信頼構築に不可欠なコンテンツです。

本記事ではセキュリティーやAIなどのIT領域において、累計2,500本以上の導入事例記事を制作した「SEデザイン」が、インタビュー記事の役割や事前準備、取材のコツを徹底解説します。

インタビュー記事作成時につまずきやすいポイントも紹介していますので、インタビュー記事制作を検討している担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

インタビュー記事の役割と活用シーンについて

本項目では、インタビュー記事が持つ役割や活用できるシーン、作成するメリットについて解説していきます。インタビュー記事は、発信するメディアにさまざまなメリットをもたらします。詳しくチェックしていきましょう。

「情報発信」と「信頼獲得」がインタビュー記事の役割

インタビュー記事は、企業の想いや専門家の知識、顧客の生の声などを発信することで、読者に多角的な視点を提供可能です。

特に、第三者の視点を通して語られる内容は客観性と信頼性が高いため、下記効果も期待できます。

  • 読者からの共感や理解を深められる
  • 見込み客の不安を解消できる
  • 企業のブランドイメージを向上できる

また、インタビュー対象者(インタビュイー)のパーソナリティーを伝えることで、記事内容に人間味が加わります。インタビュイーを含めた組織全体への共感や親しみを伝えられるため、見込み客の増加も見込めるでしょう。

インタビュー記事は「ストーリー性」を持たせたいコンテンツに最適

インタビュー記事は、下記のようなストーリー性を伝えたいコンテンツに最適です。

  • 商品やサービスの開発背景
  • 顧客の成功事例
  • 社員のキャリアストーリー

企業の理念やビジョンを物語のように伝えることで、共感を呼び起こし、ブランドイメージ向上に貢献します。また、採用活動においては、社員の生の声や職場の雰囲気を伝えることで、求職者に親しみを感じてもらいやすくなります。結果として、入社意欲を高めることも期待できるでしょう。

さらに、インタビュー記事は発信するメディアに「独自性」を持たせます。

「独自性」は競合との差別化が図れるだけでなく、インターネット検索において上位に表示される評価対象でもあるため、制作するメリットは大きいといえるでしょう。

インタビュー記事で用いられる3つの形式

インタビュー記事の3つの形式インタビュー記事は大別すると、下記3つの形式に分けられます。

  • Q&A形式
  • モノローグ形式
  • ルポ形式

各形式の特徴を具体的に解説していきます。

Q&A形式:会話形式で親近感を演出できる

メリット

デメリット

・会話調で読みやすい

・臨場感のある内容を表現できる

・インタビュイーの人柄を伝えやすい

・話し言葉が多いため長文になりやすい

・そのまま記事化すると、読みづらい場合がある


「Q&A形式」は、インタビュアーとインタビュイーの質疑応答をQ&Aの形で記事化する形式です。会話のやり取りをそのまま表現できるため、内容に臨場感があり、読者は一緒にインタビューを聞いているような感覚を味わえます

インタビュー内容やインタビュイーの人柄を読者に伝えやすい一方、話し言葉が多いために、記事全体が長文になりやすいデメリットがあります。

また、インタビューの内容をそのまま記事化してしまうと、話の流れが伝わりにくく、読みづらくなります。質問の順番や内容は、読者が理解しやすいよう、必要に応じて編集する必要があります。

モノローグ形式:語り手の想いを読者へダイレクトに伝えられる

メリット

デメリット

・インタビュイーの考えや想いを伝えやすい

・読者が感情移入しやすい

・インタビュアーの視点や考察が挿入しづらい

・会話調で構成されるため、冗長になりやすい

 

モノローグ形式は、インタビュイーが独白するかのような、一人称視点で記述する形式です。

インタビュイーの内面や感情をより深く表現できるため、読者が感情移入しやすく、人柄や発言に共感を抱きやすいというメリットがあります。そのため、企業の代表など社会的立場や権威性を持つ方へのインタビュー記事に最適です。

ただし、インタビュアーの視点や考察が挿入しにくく、冗長になりやすい点はデメリットです。削っても問題ない表現や言葉は編集段階で修正しましょう。

ルポ形式:客観的な視点から記事に深みを持たせられる

メリット

デメリット

・客観的な視点で記されるため、説得力が強い

・資料などによる補完で、情報に厚みを持たせられる

・執筆担当者の文章力が要求される

・「だ・である」を用いるため新聞記事のような堅苦しい印象を与えてしまう

 

「ルポ形式」は、インタビュアーが客観的な視点から、インタビュー内容をまとめる形式です。インタビュイーの言葉のほか、表情や仕草、雰囲気なども織り交ぜて描写するため、記事に深みと厚みを与えられます

また、複数の証言や資料を組み合わせることで、文章だけでは伝わりにくい背景情報などを補完できるメリットがあります。そのため、インタビュイーの発言や主張の説得力を強めたい記事に最適です。

一方、記事の品質は執筆担当者のスキルに大きく左右されます。制作時には担当者の感情が前に出過ぎていないか、偏った主張になっていないかを確認しましょう。

インタビュー記事作成前に行うべき4つの準備

本項目では、インタビュー前に行う準備内容とそれぞれのポイントを解説していきます。

  1. 記事の目的とターゲットを明確にする
  2. インタビュイーについてリサーチする
  3. 質問リストを作成する
  4. 事前にインタビュイーと取材内容を共有する

インタビュー記事の質を上げるためにも、どんな準備が必要かをおさらいしておきましょう。

1.記事の目的とターゲットを明確にする

最初に行うべき準備は、インタビュー記事の作成目的やターゲット読者を明確にすることです。記事構成や質問内容の他にも、下記項目を設定しておきましょう。

  • 誰に向けて書く記事なのか(ターゲット読者)
  • 何を伝えたい記事なのか(情報の焦点)
  • 記事を通して得たい効果は何か(例:サービスへの問い合わせ訴求など)

目的を明確化することで読者ニーズに沿った情報提供ができ、より的確な訴求が行えます。

2.インタビュイーについてリサーチする

インタビュイーについてリサーチすることで、より深い質問が可能です。具体的なリサーチ項目は下記を参照してください。

  • 氏名や年齢などの基本情報
  • 経歴や専門分野
  • 過去のインタビュー記事や発言内容

また、インタビュイーのSNSアカウントがあるなら、人となりや興味関心もリサーチできるため、併せてチェックしておきましょう。

インタビュイーのリサーチを行っておけば、質問を深掘りしたり、会話を広げたりするためのヒントも得られます。上記のリサーチ項目を含め、網羅的に情報収集を行ってください。

3.質問リストを作成する

インタビューをスムーズに進めるためには、当日の質問リストが必要不可欠です。リストを準備しておけば当日の流れを予習でき、リスト外の話題で長時間盛り上がったとしても、元の質問に戻ることが容易となります。

質問リストの作成時は、下記の項目を含めた質問を準備しましょう。

  • 経緯や背景についての質問(例:業界に興味を持った経緯)
  • 具体的な体験や意見を引き出す質問(例:〇〇するうえで苦労したこと)
  • 今後の展望やビジョンについての質問(例:目標達成についての業務計画)

特に重要なポイントは「はい」「いいえ」だけで終わる質問(クローズド・クエスチョン)に限定しないことです。

インタビュー記事の役割は、インタビュイーの想いや考えといった、主観的な意見を読者に伝える点にあります。「なぜそう思ったのか?」といった、深い意見が引き出せる質問(オープン・クエスチョン)を用意しておきましょう。

4.事前にインタビュイーと取材内容を共有する

完成した質問リストや取材内容は、インタビュイーに事前共有しておきましょう。

質問されるインタビュイーは適切な回答ができるか、少なからず緊張するものです。質問や取材内容を前もって共有しておけば、事前準備ができ、リラックスしてインタビューに望めるだけでなく、適切な回答を得られやすくなるでしょう。

また、取材内容によっては記事化する際に必要な情報や素材が異なります。下記内容を参考にして、必要な資料の準備や許可をインタビュイーに共有しておきましょう。

取材目的

共有事項・必要素材

質問例

店舗集客・施設紹介

・店舗外観や商品写真

・撮影シーンの選定

・小道具

・おすすめメニュー

・店舗のコンセプト

・内装のこだわりなど

求職者向けの採用PR

・対象社員の写真

・職場の風景

・募集要項などの情報

・入社理由

・仕事のやりがい

・今後のキャリアプラン

顧客のサービス導入事例

・導入事例の掲載イメージ

・比較用の競合製品情報

・導入顧客のデータ

・導入前の課題や決め手

・導入で得られた成果

・サービス満足度


インタビューをスムーズに進行するためにも、必ず上記の事前確認は実施してください。

ワンランク上のインタビュー記事が書ける取材のコツ6選

インタビューでは単に事実を質問するだけでなく、インタビュイーの「感情や想い」を引き出すテクニックが必要です。本項目では、相手の本音を聞き出すために効果的な取材のコツを紹介していきます。

ワンランク上のインタビュー記事が書ける取材のコツ6選

ひとつずつ順番に解説していきます。

1. アイスブレイクで緊張を解いてから開始する

「アイスブレイク」は、本格的な質問に入る前に軽い雑談をすることです。インタビュイーの緊張を和らげ、リラックスした雰囲気を作ることができます。

たとえば、共通の趣味や話題、その日の服装などの当たり障りのない会話からインタビュイーとの距離を縮められると、実際の質問でも本音を引き出しやすくなります。

特に効果的な話題は、SNSでの発信内容や過去のインタビュー記事を参考にすることです。インタビュイーの意見や主張が色濃く出ているため、チェックしておきましょう。

2. 「現在→過去→未来」の質問フローを意識する

インタビュー記事にストーリー性を持たせるためには、質問の順序が重要です。

そのためにも、質問をする際は「現在(現状)」「過去(経緯)」「未来(展望)」の順に沿った質問を意識してください。

【時間軸に沿った質問例】
現在(現状):「現在提供されている〇〇というサービスの特徴はなんですか?」

過去(経緯):「〇〇が誕生した経緯を教えてください」

未来(展望):「御社は〇〇について、どのような展望を見据えていますか?」


上記のような流れで質問することで、インタビュイーは思考を整理しやすくなりますし、読者もインタビュー全体の流れを把握しやすくなるでしょう。

より具体的な回答を得るためにも、時間軸を意識して質問してみてください。

3. 質問を深堀りし、具体例を引き出す

インタビュイーの回答に対して、さらに深掘りした質問をしてみることも、取材テクニックのひとつです。その際は「6W2H」を意識して質問してみましょう。

  1. いつ(When)
  2. どこで(Where)
  3. 誰が(Who)
  4. 何を(What)
  5. なぜ(Why)
  6. どちらが(Which)
  7. どのように(How)
  8. いくら(How much)

たとえば「新卒採用にかかわる人事担当者」へ「新卒採用の開始時期」を質問した場合、次のような深堀りが可能です。

インタビュアー「新卒採用活動は、例年いつ頃から開始されているのですか?」
人事担当者「弊社では、3月からスタートしています」

【質問を深堀りする場合】
なぜ(Why):「なぜ3月に開始するのでしょうか?」
いつ(When):「採用活動の準備はいつ頃から始まるのでしょうか?」
何が(What)+どうやって(How):「開始時期によって応募者の質や数に変化はありますか?」


質問を深掘りして具体的なエピソードや数字を引き出せれば、読者の理解度を高める効果も期待できます。

4. 身振り・手振りを活用する

インタビュー中は、インタビュイーの目を見て話を聞く、相槌を打つ、うなずくなどの非言語コミュニケーションも活用しましょう。

相手の話に興味を示し、共感を示していることを行動で示すことで、インタビュイーに「自分の話を聞いてくれている」と安堵してもらう効果があります。

また、インタビュイーの表情や仕草を観察することも重要です。どんな話題で、どんな表情や発言をしていたのかを記事に組み込めれば、読者にインタビュイーの感情を伝えやすくなります。

特に苦労や喜びといった、感情が大きく動いた要素や話題は漏らさずチェックするように意識しておきましょう。

5. 予想外の展開になっても話を遮らないようにする

話の展開によっては、事前の質問リストに沿ってインタビューが進むとは限りません。

予期せぬ話題が出た場合でも、慌てずにあえて掘り下げることで、新たな発見が得られる可能性があります。

たとえばカフェ経営者へのインタビュー中に「最初はカフェを経営するつもりがなかった」といったエピソードが出た場合「どんな事業を行う予定だったのか?」といった深堀りが可能です。

予定外の話題が出たときでも話を遮らず、掘り下げることで、当初想定していたよりも魅力的な記事を書ける可能性が生まれます。ぜひ実践してみてください。

6. 答えにくい質問をしてしまった場合は相手のペースに合わせる

意図せずインタビュイーが答えにくい質問をしてしまった場合は、無理に答えてもらおうとせず、相手の回答を待つ姿勢も大切です。

相手の回答に時間がかかっている場合、下記の理由が考えられます。

  • インタビュイーにとって専門外の質問だった
  • 質問が抽象的で内容が分かりづらい
  • これまで考えたことのない内容だった

どうしても相手が回答に困っていると感じた場合、質問の意図を説明することで、インタビュイーに内容を理解してもらえる可能性があります。あるいは質問の仕方を変えるなどして、インタビュイーが話しやすくなるような気配りも行ってみましょう。

関連記事「インタビューを成功に導く質問とは?当日までの流れやコツ、質問例も紹介」では、さらに具体的な質問内容を例文を交えて解説しています。併せてチェックしてみてください。

書き方で差が付くインタビュー記事の3つの秘訣

読者の心を掴むインタビュー記事を執筆するためには、3つのポイントを押さえる必要があります。

  1. インタビュイーの言葉を活かし、魅力を引き出す
  2. ストーリーを意識した構成で読者を魅了する
  3. 推敲と編集を繰り返して記事品質を高める

記事の仕上がりを左右するポイントを紹介していますので、必ずチェックしてください。

秘訣1.インタビュイーの言葉を活かし、魅力を引き出す

インタビュイーの発言は、可能な限りそのままの形で記事に反映させましょう。言葉遣いや口癖もそのまま採用することで、インタビュイーの魅力がより読者に伝わりやすくなります。

特に語尾や言い回しなどは、意識的に執筆するのがおすすめです。

しかし、読者が読みにくいと感じたり、伝わりにくいと感じたりする表現に関しては、編集段階で変更するなどの調整を行ってください。

秘訣2.ストーリーを意識した構成で読者を魅了する

インタビュー記事においては、読者の心を動かすストーリーとなるように構成作成をしなければいけません。インタビュー内容を情報として羅列するだけでは、読者はより詳しい情報が掲載されている媒体に移動してしまうためです。

読者が飽きずに読み進められるように「起承転結」を意識し、記事から離脱されにくい流れを設計することが重要です。

そのためにも、読者にとって意外性を感じられるような展開やエピソードを、積極的に盛り込みましょう。仮に、質問リスト外に交わした会話などから採用できるエピソードがあれば、競合記事とは異なる独自性と魅力を訴求できます。

秘訣3.推敲と編集を繰り返して記事の質を高める

記事の執筆が完了したら、推敲と編集を行いましょう。主にチェックすべき項目は下記の通りです。

  • 誤字脱字、誤った使い方や誤解を招く表現がないか
  • スムーズに読める構成になっているか
  • 読者に伝わる表現になっているか

可能であれば第三者視点での確認を依頼することも検討してください。複数人の目を通すことで、より完成度の高い記事を作成できます。

編集が終わったら、公開前にインタビュイーと記事を共有し、内容に齟齬がないかも必ずチェックしておきましょう。

まとめ:共感を得られるインタビュー記事を作成し信頼獲得を目指そう

インタビュー記事には、発信目的によって最適な形式や役割があります。それらの特徴を使い分け、読者からの信頼を獲得するには事前準備や知識が欠かせません。

必要な準備や学習を怠ると自社だけでなく、インタビュイーからの信頼を失う結果につながるでしょう。本記事の内容を参考にして、読者からの共感と信頼を得られるインタビュー記事を作成してください。

SEデザインはクラウドやAIなどのIT分野の導入事例制作サービスを提供しており、累計2,500本以上の制作実績を有しています。

蓄積されたノウハウを活かし、サービスの価値を伝えるコンテンツを制作しますので、導入事例記事の制作を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

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監修者
SEデザイン編集部
BtoB企業、特にIT分野を中心にコンテンツマーケティング支援を行っており、導入事例やホワイトペーパー・eBook、SEO記事の制作、LP制作、オウンドメディア構築などの制作も行う。導入事例制作では、IT・テクノロジー分野の知見を活かし、外資系を含むIaaS、PaaS、SaaSの事例を中心に年間150件以上、累計2,500件以上制作しており、高い評価をいただいている。

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