コンテンツマーケティングを実施する際に重要な指標の一つとして、外部リンクが存在します。外部リンクとは、あるWebサイトから他のWebサイトに貼られるリンクを指します。
本記事では、オウンドメディア構築支援や記事制作支援を行っているSEデザインが、外部リンクに関する基本的知識や獲得方法についてを紹介します。オウンドメディアを運営している方や自社サイトの評価質を高めたいとお考えの方は、ぜひお役立てください。
外部リンクとは?
「外部リンク」とは、あるWebページから外部のWebページやサイトへつながるリンクを意味する言葉です。英語では「external link」と表記されます。
たとえば、弊社公式HPのフッターには、プライバシーマークの公式サイトのリンクを直接ロゴに埋め込んでいます。このように、別のドメインのリンクのことを「外部リンク」といいます。
外部リンクと被リンクの違い
「被リンク」は外部リンクの形態の一つで、ほかのサイトから自社サイトへのリンクを意味するものです。主に関連サイトや参考サイトとして、紹介されることが多いでしょう。ちなみに、自社サイトからほかのサイトへのリンクを、発リンクと言います。
ただし、「ただリンクされるだけ」では不十分で、SEO効果を高めることが目的であれば、良質なWebサイトからリンクをもらうことが不可欠です。
外部リンクと内部リンクの違い
「内部リンク」とは、同一ドメイン内に貼られたページ同士をつなぐリンクのことです。内部リンクが充実していれば、サイトのクローラーが効率よく巡回し、ユーザー側も必要な情報を参照しやすくなります。
関連記事や過去の投稿へのリンクは、ユーザーにとってほかの記事も閲覧するきっかけとなります。本ブログでも積極的に、関連する内容に対するリンクを使用しています。
サイテーションとは
「サイテーション」とは、ほかのサイトやSNSで自サイトやブランド名が言及されていることを意味します。外部リンクとは異なり、SNSやサイト上にリンクそのものが存在する必要はありません。ブログ名や特定の内容が言及されただけでも、サイテーションとして認識されます。
Googleは公式にサイテーションの影響を認めていませんが、多くのユーザーがサービスや内容を良い評価として取り上げているのは、Googleの評価に一切関係ないとは言い切れないでしょう。
また、サイテーションはローカルSEO、特にMEO対策でも役立ちます。
Googleはローカル検索において「視認性の高さ」を評価基準としていることから、自社ビジネスの知名度はマップ検索において重要な評価基準の一つでもあります。つまり、サイテーションを獲得すればするほど、Googleから一定評価される可能性が高いと想定されます。
なぜ外部リンクはSEOにおいて重要なのか?
外部リンクをたくさん得ているページは「重要なコンテンツだ」と判断され、SEOに良い影響があります。Googleの理念である「Googleが掲げる10の事実」の一つとして挙げられており、被リンクは検索順位を決める指標のなかでも特に重要な要素と考えられるでしょう。
Googleの基本理念は「ユーザーにとってより使いやすい検索エンジン」です。 客観的に「良いコンテンツと思われる」ページほど、ほかのサイトでも紹介されることが増え、結果的に被リンク数が増えるといえます。
たとえば、品質がほぼ同じである2つのWebサイトが存在する場合は、多くの被リンクを持つページがSEOの評価で優位に立つでしょう。
外部リンクの増加は、検索エンジンのクローラーによるアクセスを促進します。これにより、サイトのインデックス化が容易になります。インデックス化とは、検索エンジンがWebページをデータベースに登録することです。
インデックスされていないページは検索結果に表示されず、オーガニック検索からの流入は期待できません。被リンクの数が増加することで、クローラーがサイトをよく訪れ、ページの評価が迅速に行われます。
さらに、外部リンクはページランクにも影響を与えます。ページランクとは検索エンジンがWebページの重要度をはかる指標の一つです。「Googleが掲げる10の事実」の「4. ウェブ上の民主主義は機能する。」 にも記載されており、外部リンクの数や質によってランク付けされる仕組みとなっています。
良い外部リンクと悪い外部リンクとは?
外部リンク(特に被リンク)は、多ければ多いほど良いと思われがちですが、実際には「良いリンク」と「悪いリンク」が存在します。不適切なリンクを受けたり発したりすると、SEOに悪影響を及ぼすリスクがあるのです。
ここでは、良い外部リンク、悪い外部リンクについて解説します。
良い外部リンクとは
外部リンクのなかには、検索エンジンがWebサイトの価値を評価するうえで、プラスの影響を与えるリンクがあります。具体的には、以下の特徴を持つ外部リンクが良いとされています。
クローラーに発見されやすくする役割を持つ
外部リンクがあると、検索エンジンのクローラーがWebページを見つけやすくなります。その結果、ページがインデックスに登録されるスピードが上がります。インデックスとは、Googleなどの検索エンジンがページをデータベースに登録することです。
このプロセスが行われないと、ページが検索結果に表示されないため、ユーザーの目に触れる機会が減少してしまいます。外部リンクによってクローラーが頻繁に訪れるようになれば、ページの評価がスムーズに進み、結果的にSEO効果が向上します。
価値あるコンテンツとして認識させる役割を持つ
多くの外部リンクを受けているページは、「価値のあるコンテンツ」として認識される傾向があります。
これは、Googleが検索順位を決定する際の重要な指標のひとつです。たとえば、学術論文の世界では、多くの研究に引用される論文が高く評価されます。
同様に、Webコンテンツも他サイトから引用や言及を受ければ、検索エンジンから「重要なページ」とみなされます。
SEOにおいて、良い外部リンクは以下のようなものです。
信頼性の高いサイトからのリンク | ページランクやドメインランクが高い、または権威のあるサイトからのリンク |
関連性の高いコンテンツからのリンク | 内容が自サイトと関連性を持つページからのリンク |
これらの特徴を持つリンクは、検索エンジンがページの価値を判断するうえで、強力な信号として働きます。そのため、良い外部リンクを得ることはSEO対策において欠かせない要素といえるでしょう。
悪い外部リンクとは
外部リンクには、検索エンジンのガイドラインに違反している、またはSEOにおいてマイナスの影響を与えるリンクもあるため注意が必要です。
以下のようなリンクは、ページの評価を低下させ、最悪の場合はペナルティの対象となる可能性があります。
外部の低品質サイトからのリンクなど
検索エンジンでは、外部リンクの数だけでなく、その質も重要視されます。リンクが多いほど評価が上がるわけではなく、不自然で低品質なリンクが含まれると、逆にSEO評価を下げる要因となります。
問題視されるリンクは以下のようなものです。
お金や対価を払って得たリンク | リンクを購入する行為はガイドライン違反とみなされる可能性がある |
相互リンクを目的としたリンク | サイト間でリンクを交換し合う行為は、不自然と判断される場合がある |
スパム的な低品質サイトからのリンク | 大量のキーワードやリンクを含む、まとめサイトなどからのリンクは信頼性を損なう |
自動化されたツールで作成されたリンク | プログラムによって生成されたリンクは、ブラックハットSEOと見なされる |
自社サイトにおいた無意味なリンクなど
悪いリンクは外部からだけでなく、自サイトから他サイトに向けたリンクでも問題を引き起こします。
たとえば、無意味なリンクや報酬を受けて設置したリンクが含まれると、自サイトの評価を下げるリスクがあります。
このようなリンクは、検索エンジンが提供する「品質に関するガイドライン」に違反する場合があります。
悪い外部リンクを防ぐには
過去には、不正な方法で外部リンクを増やし、検索順位を操作しようとする手法が多く行われてきました。
しかし、Googleが2012年に実施したペンギンアップデートにより、ブラックハットSEO対策が強化され、質の低い外部リンクやリンク操作行為が厳しく取り締まられるようになりました。
SEO対策においては、質の低いリンクを意図的に作らないこと、また不要なリンクを削除するのが重要です。
悪い外部リンクを防げば、検索エンジンからの評価を守れるでしょう。
外部リンクを獲得するための方法
外部リンク獲得の可能性を高められる施策としては、以下が挙げられます。
- 質の高いコンテンツを作成し続ける
- 外部サイトから自サイトに被リンクする理由を作る
- ユーザーがシェアしやすくするためのSNSボタンを設置する
それぞれの施策を詳しくみていきましょう。
読者が「共有(シェア)したい」と思うコンテンツを作る
良い外部リンクを獲得するには、読者が共有したくなるコンテンツを作ることが大切です。ユーザーにとって価値があるコンテンツは、「他の人にも知らせたい」と感じてもらえます。
たとえば、記事を読んだユーザーが「この情報は役立つ」「よく整理されていて分かりやすい」と思えば、その記事は自然と他の人に共有されやすいでしょう。このような共有の積み重ねが、外部リンクの獲得につながります。
ユーザーがスムーズにコンテンツを共有できるように、記事内にシェアボタンを設置するのも有効な方法です。簡単に共有(シェア)できる環境を整えられれば、拡散のハードルを下げられます。
ユーザーが価値を感じられるコンテンツを作り、共有しやすい仕組みを用意すれば、質の高い外部リンクを自然に集められるでしょう。
オリジナルの情報を入れたコンテンツを作る
オリジナルの情報を盛り込んだコンテンツを作成しましょう。独自性のある情報が含まれていると、記事が引用や参照されやすくなります。
たとえば、自社独自の調査結果やアンケートデータ、実際の成功事例、専門的な知識を活用した解説、または海外から得た情報の和訳などが挙げられます。
他のサイトで引用されると「引用:サイト名『記事タイトル』」と注釈を入れてリンクが貼られることが多いため、自然な形で被リンク(外部リンク)を獲得できます。結果として、サイト全体の評価向上にもつながりやすくなります。
独自性の高いオリジナルコンテンツを作成すると、読者に信頼感を与えられるほか、外部リンクを獲得しやすいでしょう。
外部サイトから自サイトに被リンクする理由を作る
ほかのサイトへの寄稿を通じ、被リンクを増やすことで異なる層のユーザーが自社サイトに流入するよい機会になるでしょう。
コンテンツマーケティングを始めたばかりで、まだ記事数が少ない場合は、ほかのサイトからの寄稿の依頼は少ないかもしれません。しかし、前述のように質の高いコンテンツを自サイトで継続的に作成していくことで、依頼も増加していきます。
被リンク獲得を目的とする場合、ほかのサイトとの連携や共同プロジェクトも視野に入ります。たとえば、ほかの企業や団体と共同で作成した記事を紹介するリンクを貼ってもらうという手法です。
また、他社の事例記事や紹介記事を自サイトで作成することによって、紹介先企業の外部サイトからリンクを設置してもらいやすくなる可能性もあります。
具体例として、外部の制作会社様に当社を紹介いただいた一例を記載しますので、併せてご参照ください。
例1:「優良WEB」様からのBtoBに強いホームページ制作会社としての紹介
例2:フリーランス向けメディア「freelance hub」様での本ブログ記事の紹介
ユーザーがシェアしやすくするためのSNSボタンを設置する
ソーシャルメディアでの情報発信は、外部リンクの獲得に寄与します。特にX(旧Twitter)やFacebook、はてなブックマークの拡散は効果的です。特にX(旧Twitter)では、情報が一度流れはじめると、その情報が急速に拡散することがあります。
ブログ内にシェアボタンを設置することで、読者が記事を簡単に共有できるようになるでしょう。実際に、当ブログでも読者が記事を読み終えた後、シェアをスムーズに行えるよう、ページにシェアボタンを設置しています。
このような自然な被リンクは「ナチュラルリンク」と呼ばれ、積極的な獲得によって、SEOの効果をさらに高めることが期待されます。
SNSに配信して拡散を促す
質の高いコンテンツを作成したら、SNSで情報発信し、拡散を促しましょう。おすすめのプラットフォームはXやFacebook、はてなブックマークです。Xでは一度拡散が始まると、短期間で広範囲に広がります。
ただし、これらのSNSからのリンクには「nofollow属性」が付与されているため、直接的な被リンクのSEO効果は期待できません。nofollow属性とは、検索エンジンがリンク先を辿らないようにする設定です。そのため、リンク先の評価にはつながりません。それでも、SNSで話題になることで、メディアやブログで取り上げられるなど、外部被リンクを多く獲得できます。
リンクがなくてもWeb上で言及されれば、サイテーション効果(Web上で自社が話題になる効果)が得られます。
魅力のあるプレスリリースを配信する
プレスリリースは、企業が報道機関に向けて発信する報道資料のことです。その内容が魅力的であれば、多くのメディアに取り上げられ、外部リンクを効果的に増やせます。一度のプレスリリースで、50以上のメディアに掲載されるケースもあります。
大手ニュースサイトや専門メディアが情報を広めてくれれば、短期間で多くのユーザーに認知を拡大するチャンスとなるでしょう。さらに、リンクが付かない場合でも、Web上での言及(サイテーション)が増えるので、間接的にサイトの信頼性や評価向上につながります。
魅力的で伝わりやすいプレスリリースを作成し、適切に配信すれば、外部リンクを獲得できます。
外部リンクに関する注意事項
外部リンクを得ることは必要なSEO対策のうちの一つです。良い外部リンクを集められるように、注意すべき点をご紹介します。
- 定期的にリンクの状況をチェックする
- ペナルティ対象となる外部リンク施策は行わない
それぞれについて、個別にみていきましょう。
定期的にリンクの状況をチェックする
外部リンクは定期的に見直しを行う必要があります。 なぜなら、コンテンツをどんどん作成していくにつれ、低品質なリンクを貼られるリスクも増すためです。
Googleはサイトの内容と活動を継続的に監視し、情報の質やユーザーへの有益性を評価しています。この評価を基に検索順位が決定することから、サイトの維持や更新が途絶えてしまうと、「情報が古く、更新されていない」とみなされ順位に悪影響が及ぶ可能性があります。
そのため、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleを活用して、定期的にリンクの状態を監査しましょう。
ペナルティ対象となる外部リンク施策は行わない
外部リンクの中には、質の悪い外部リンクも存在します。質の悪い外部リンクは、Googleからの評価がマイナスとなるので注意しましょう。
実際、過去に不正なスパムリンクを生成する行為が行われていたことがあり、それを利用して検索順位を上げようとするケースが多々ありました。2012年のペンギン・アップデート以降、ペナルティ対象となっています。現在でもSEO目的で購入された外部リンクや、Google品質ガイドラインに違反している大量生成したリンクなど、不正なリンクを生成し続けているサイトはあります。
定期的にスパムリンクの有無をチェックし、存在した場合は削除や否認の対応を行うのが賢明でしょう。
具体的には、以下のような方法でスパムリンクを見つけられます。
- Googleサーチコンソールで「リンク>上位のリンク元サイト」からの確認
- Ahrefsなどの被リンクチェック専用ツールの使用
悪質な外部リンクは、検索エンジンだけでなく、長期的に会社のイメージダウンにつながる可能性があるため、決して行わないようにしましょう。
GoogleSearch Console上でのスパムリンクの否認について、詳しい解説が知りたい方は以下の記事もご参考ください。
不自然な外部リンクを削除する方法
不自然な外部リンクは、サイトの評価を下げる原因になります。Googleサーチコンソールを使い、「リンク」セクションで外部リンクを確認しましょう。スパム的なリンクや低品質なリンクがあれば、そのサイトの管理者に削除を依頼してください。
削除が難しい場合は、Googleサーチコンソールのリンク否認ツールを使用します。手順は以下の通りです。
- Googleサーチコンソールにログイン
- 「リンク」セクションで、不適切なリンクを特定
- 否認するリンク先のURLをリスト化し、テキストファイルに保存
- リンク否認ツールからリストをアップロード
リンクの否認は慎重に行い、Googleサーチコンソールヘルプを参考にするのがおすすめです。
外部リンクを獲得できる有益なコンテンツを作ろう
外部リンクの管理と戦略は、Webサイトの健全性や信頼性を維持するための大切な要素の一つです。ただし、Googleやほかの検索エンジンは、スパムリンクや低品質なリンクを持つサイトにペナルティを与える可能性が高いため、リンクの管理には留意しなければなりません。
高品質な外部リンクの獲得は、自社サイトの価値を高めるだけでなく、信頼性や権威を向上させる手段となります。外部リンクをできるだけ適切に運用し、コンテンツマーケティングの効果向上を図りましょう。
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