検索エンジンにおいて、クローラーは重要な役割を担っています。検索エンジンの概要を理解し、クローラーの働きや検索順位との関係を把握することは、SEO対策に必要不可欠です。
本記事では、約40年にわたって記事制作をはじめとするコンテンツマーケティング支援を行ってきたSEデザインが、クローラーとは何か、クローラーとSEOの関係、クローラー巡回への施策をわかりやすく解説します。併せて、URL正規化やメタディスクリプション、html構造など、対策における重要なポイントも紹介します。
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クローラーとは
クローラーとは、Web上の情報を検索エンジンが収集するために使用される自動プログラムのことです。たとえば、Google検索ではおもに「Googlebot」というクローラーが用いられ、Webサイトの自動検出やコンテンツスキャンなどを行っています。クローラーがWebページを巡回し、その内容をデータベースに記録することで、検索エンジンはユーザーの検索クエリに対する最適な結果を提供できます。
この段階でページの概要やメタディスクリプションをチェックし、html内のリンク構造を把握しながら効率的にデータ収集を行う仕組みになっているのです。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンはインターネット上の膨大な情報を整理し、ユーザーのクエリに対して関連性の高いWebページを迅速に提供するシステムです。検索のプロセスは大きく3つのステップに分けられます。
- クローラーがWebを巡回し、ページの内容やリンクを収集する
- 収集したデータを整理・分類する
- ユーザーの検索クエリに基づき、独自のアルゴリズムにより最も適切なページを選出・表示する
上記の通り、クローラーは最初のプロセスで重要な役割を担っています。ここで分析された情報が、サイトの検索順位に影響を与えることになるのです。
クローラーの役割
クローラーのおもな役割は、新規ページや更新されたページを見つけ出し、その情報を検索エンジンのデータベースに追加することです。検索エンジンが常に最新の情報を提供できるように機能しています。具体的には、ページのテキスト、メタデータ、キーワード、リンク構造、メタディスクリプションなどを分析し、クエリとの関連性やページ品質を評価するための重要な情報を収集します。
この際、適切なhtmlタグの使い方やURL正規化の設定ができているかは大きなポイントになります。クローラーがスムーズにインデックスできれば、検索順位の安定や向上にもつながります。
クローラーの種類
検索エンジンごとに使用されるクローラーは異なります。また、ひとつの検索エンジン内でも、用途や機能によって複数のクローラーが使い分けられる場合もあります。
代表的な検索エンジンである「Google検索」の場合、メインクローラーは「Googlebot」です。画像には「Googlebot-Image」、ビデオには「Googlebot-Video」など、特定のコンテンツを対象にするメディアクローラーも存在します。
その他の主要検索エンジンのクローラーは次の通りです。
- Bing-Bingbot
- Yandex-Yandex Bot
- Baidu(百度)-Baiduspider
- DuckDuckGo-DuckDuckBot
いずれのクローラーも、Web上のhtmlを巡回してデータ収集し、検索エンジンが適切なページを結果に反映できるようにする点は共通しています。
クローラーとSEOの関係
SEOの目的は、検索結果ページでの順位を高めることです。検索エンジンがWebページをインデックスして評価するプロセスにおいて、クローラーは重要な役割を担います。従って、SEOではクローラーに対する施策が欠かせません。ここでも、URL正規化やメタディスクリプションの最適化が重要なポイントとなります。
すなわち、クローラーにとってアクセスしやすく、理解しやすい形式にWebページを調整することがSEOに有効です。明確なタイトルタグや適切なメタデータ、有益なコンテンツ、効果的な内部リンク構造を持つようにサイトを設計しましょう。
クローラーの働きを理解してサイト構造とコンテンツ戦略を最適化することで、迅速なインデックスにつながり、より良い評価を得られる可能性が高まります。そして、検索順位の上昇にも直接的に影響するのです。
クローラー巡回への施策
SEO効果を最大化するには、クローラーの「効率的なページ巡回」と「正確なコンテンツ理解」を促すことが重要です。その施策として、以下の2つが挙げられます。
- Webサイトのクローラビリティを向上させる
- Webサイトにtxtを設定する
Webサイトのクローラビリティを向上させる
クローラーにとってのWebサイトの巡回しやすさを「クローラビリティ」と言います。クローラビリティを向上させるためには、次のような施策が有効です。
- パンくずリストを適切に設定し、整理されたURL構造を持たせる
- 対象の検索エンジンにインデックス登録を申請する。例えば、Googleは「Googleサーチコンソール」、Bingは「Bing Webマスターツール」を使用して申請できる
- XMLサイトマップを送信し、サイト構造を理解しやすくする
- 関連ページへのスムーズな移動を考慮して、適切に内部リンクを設置する
- 重複コンテンツの削除やリンク切れページの整理、URLの正規化を行う
- レスポンシブデザインの採用、表示速度の改善など、モバイルフレンドリーなサイトを構築する
これらの施策により、クローラーがサイト内で重要な全てのコンテンツにアクセスしやすくなります。効率的に情報を収集してもらうと同時に、より高精度なコンテンツ理解を促すことが可能です。結果として検索順位の向上を狙うことができます。
クローラビリティに関する記事
なお、クローラーの巡回状況を確認する場合は、検索エンジンごとのWebマスターツールやサードパーティー製ツールを活用してください。または、サイトコマンド(site: +対象のURL)でも確認できます。
Webサイトにrobots.txtを設定する
robots.txtは、特定ページの巡回可否をクローラーに指示するファイルです。申込みフォームのようなインデックスの必要がないページや、サイト評価を下げる可能性があるページをクロールされないよう制御することができます。
クローラーに巡回を禁止したいページやディレクトリを明確に指定することはもちろんですが、不必要にアクセスを制限し過ぎないことも大切です。クローラーが十分に巡回できなくなり重要なページがインデックスから除外され、検索順位に悪影響が出るリスクがあるからです。
また、robots.txtファイルがサイトのルートディレクトリ(最上位のディレクトリ)に配置されていることを確認しましょう。クローラーがrobots.txtを認識できないため、巡回をコントロールできません。
クローラーが理想的な巡回をするようrobots.txtで適切に制御することで、間接的にSEOへの貢献が期待できます。URL正規化との合わせ技で不必要な重複を省きつつ、クローラーが適切に巡回できる環境を整えることが重要です。
robot.txtに関する記事
XMLサイトマップを作成し活用する
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト全体のページ構造を正確に伝える重要な仕組みです。まずはCMSやツールを活用して必要なURLをまとめたファイルを作成します。このとき、重複や不要なページが含まれないよう注意しましょう。
XMLサイトマップを作成したら、Googleサーチコンソールにログインし、「サイトマップを追加」からXMLサイトマップのURLを登録します。これにより、クローラーが新規ページや更新ページを効率的に把握しやすくなります。
ページを修正した場合は「URL検査ツール」で個別にクローラー申請(インデックス登録)をリクエストするのも有効です。クローラーへの申請を迅速に行うことで、変更内容が検索結果に反映されるスピードが上がりやすくなります。これは検索順位を安定させるうえでの大きなポイントです。サイトマップとクローラー申請を併用して、全体の検索露出を高めましょう。
クローラーに関するよくある質問
クローラーはWebサイトの情報を収集する便利なツールですが、時には思った通りに機能しないこともあります。ここではクローラーに関するよくある質問を取り上げ、問題解決のためのヒントや情報を紹介します。
Q1. クローラーが巡回しない場合の対処法は?
クローラーが指定したサイトを巡回しない場合は、まず、robots.txtファイルやURL正規化が原因でクローリングを妨げていないか確認しましょう。ここで特定のページやディレクトリへのアクセスを制限している場合、クローラーは巡回できません。
次に、サーバーの状態やサイト構造の確認も行いましょう。サーバーが正常に稼働しているか、内部リンクが不足していないか、メタディスクリプションやhtml上のメタタグがブロック設定をしていないかもチェックするのが重要です。
- robots.txtの確認:
クローラーがアクセスできるように設定されているか確認します。 - サーバーの状態確認
サーバーが正常に稼働しているか、応答速度が適切かをチェックします。 - サイトマップの作成
XMLサイトマップを作成し、検索エンジンに送信します。 - 内部リンクの最適化
サイト内のページ同士を適切にリンクさせ、クローラーが巡回しやすい構造にします。
Q2. サイトの巡回状況を確認する方法は?
サイトの巡回状況を確認する最も一般的な方法は、Googleサーチコンソールを利用することです。クローラーがどのページを巡回したか、インデックスされたページの状況、エラーの有無などを確認できます。
- サーチコンソールにログイン
- 「カバレッジ」レポートを確認
インデックスされたページやエラーが発生しているページの情報が表示されます。 - 「URL検査ツール」を使用
特定のURLを入力することで、インデックスされているか確認できます。 - サーバーログの分析
サーバーログを確認することで、クローラーのアクセス状況を詳細に把握できます。
これらを定期的にチェックし、必要に応じてURL正規化やメタディスクリプションの調整などを行うと、サイト全体のSEO効果を高めることにつながります。
まとめ:クローラーに配慮したサイト設計でSEO効果を高めよう
クローラーは、検索エンジンの情報収集やインデックス、サイト評価に深く関わっているプログラムです。そのため、クローラーに適したサイト設計になっているかどうかがSEOにも一定の影響を与えます。特にクローラビリティの向上とrobots.txtの設定は、クローラーの巡回効率を高めるために重要な施策です。初期段階からクローラーに配慮したサイト設計を目指し、長期的なSEO戦略を立てましょう。
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