コンテンツマーケティングの成果を大きく左右する要素として「キラーコンテンツ」があります。キラーコンテンツの重要性は理解していても、どのように作成し、活用すればよいのか悩んでいるWebマーケターは多いのではないでしょうか。本記事では、キラーコンテンツの基礎知識や作成方法、活用方法について詳しく解説します。
キラーコンテンツとは
ユーザーの心をつかむような制作物や商品、サービスを「キラーコンテンツ」と言います。キラーソフト、あるいはキラーアプリケーションとも言い換えられます。
コンテンツマーケティングでは見込み客の獲得・育成を目指すために重視され、キラーコンテンツの有無がその企業の業績を大きく左右することも珍しくありません。
ここでは、おもにWebマーケティングの視点から、キラーコンテンツとはどのようなものかを解説し、具体例を紹介します。
コンテンツマーケティングにおける「キラーコンテンツ」とは
コンテンツマーケティングにおける「キラーコンテンツ」とは、多くのユーザーを集めて、コンバージョン(CV)や売り上げにつながるようなコンテンツ(情報やサービス)のことです。
サイト訪問者にとって価値があり、ほかのユーザーにも共有したくなるような高いクオリティーのコンテンツが求められます。例えば、詳細な解説記事や独自視点での考察、実用性の高いハウツー情報などが該当します。
そのため売り上げだけでなく、企業およびブランドの認知度アップや信頼性向上にも役立つでしょう。
また、コンバージョンへの導線となるコンテンツの一つに「LP(ランディングページ)」もあります。
キラーコンテンツが情報提供や価値共有を通じて顧客育成(ナーチャリング)、あるいはコンバージョン促進をするのに対し、LPは商材の認知から購買への動機づけ、他社製品との比較、クロージングまでを単独ページで実現するコンテンツです。
それぞれ流通経路やターゲット、フェーズが異なるため、Webマーケターはうまく使い分ける必要があります。
キラーコンテンツ |
LP |
|
流入経路 |
Web検索、リンク |
Web広告 |
ターゲット |
既存ユーザー(サイト訪問者) |
新規ユーザー |
フェーズ |
①自社の課題に気付いていない潜在層 |
自社の課題が明確だが解決する手段を見つけていない顕在層 |
役割 |
顧客育成、CV |
認知、動機づけ、CV |
キラーコンテンツの具体例
Webマーケティング上のキラーコンテンツはさまざまです。ユーザーが商品やサービスを利用する前に「知りたい」「確認しておきたい」と思う情報を提供し、CVの後押しになり得るのであればキラーコンテンツといえます。
キラーコンテンツの具体例は以下のとおりです。
- サービスの紹介
- 口コミ・レビュー(BtoC)
- 導入事例(BtoB)
- アンケート・統計結果
- 有識者・専門家の評価
商品・サービスの紹介
自社の商品やサービスを魅力的に紹介するコンテンツは、見込み客の購入意欲をかき立ててくれるでしょう。提供側が伝えたい情報ばかりを並べるのではなく、ユーザーの疑問や不安などに先回りして答えるようなコンテンツを作成するのが効果的です。
口コミ・レビュー(BtoC)
既存ユーザーの口コミやレビューは、利用を迷っている新規顧客・見込み客の有力な判断材料となります。写真付きコメントまたはインタビュー動画などのリアリティーがあるコンテンツなら、さらに説得力が増します。
導入事例(BtoB)
製品・サービスを実際に導入した企業の事例紹介は、BtoBにおけるキラーコンテンツといえるでしょう。導入の背景や実際の使用例、解決できた課題などを具体的に記載することによって、企業担当者は導入後の状況をイメージしやすくなります。また、事例があることで、導入のミスマッチを回避するのにも有効です。
アンケート・統計結果
業界の動向やトレンド、顧客のニーズ、好みなどを調査したアンケート・統計結果は、ユーザーにとって有益で、興味を引く情報です。具体的な数値やデータを根拠にした解説記事は信ぴょう性が高まるため、キラーコンテンツとなり得ます。
有識者・専門家の評価
有識者や専門家からの評価を掲載することにより、製品・サービスの有効性と信頼性をアピールできます。確かな知識のある第三者からの客観的な見解を知ることで、ユーザーは安心感や納得感を得やすくなるでしょう。
キラーコンテンツの作成方法
キラーコンテンツを作成すれば、Webマーケティングの戦略が広がります。
製品・サービスの認知向上、ブランド力や信頼度の上昇に寄与し、業績アップにつながるでしょう。
しかし、キラーコンテンツをいきなり作成しようとしても、なかなかスムーズにはいかないものです。期待する効果を得るためには、既存のコンテンツをよく分析したうえで綿密に設計することが求められます。
ここでは、効果的なキラーコンテンツの作成方法を解説します。
多くのユーザーがコンバージョン前に経由したコンテンツを分析
キラーコンテンツの制作では、ユーザーがコンバージョンに至る前に経由した既存コンテンツの調査・分析を最初に行います。この分析を通じて、効果的なコンテンツを作るためのヒントが得られるはずです。
調査と分析には、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスのような解析ツールを使用するのが一般的です。どのようなキーワードから流入しているのか、そして、どのページを経由してコンバージョンに至っているのかを把握する必要があります。
また、ユーザーの詳細なプロファイル、例えば年代、性別、地域、趣味・嗜好などを分析することは、ペルソナの設定やカスタマージャーニーの設計に役立つでしょう。
これらの情報を整理・集約したデータを基にしたデータ分析はWebマーケティングの根幹であると同時に、キラーコンテンツ制作における重要事項の一つです。
仮説を立てペルソナ・カスタマージャーニーマップを見直す
コンテンツ分析から、コンバージョンに至ったユーザーが持つ悩みやニーズの仮説を立てます。その仮説に基づいて、まず「ペルソナ」を見直します。
ターゲットユーザーのペルソナを適切に設定することは、コンテンツ制作の基本となるためです。ペルソナ設定が間違っていれば、ユーザーの心をつかむコンテンツを制作するのは難しくなります。年齢や性別、生活スタイル、趣味、価値観などを詳しく設定して、具体的な人物像を作り上げます。
もうひとつ見直すべきは「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーマップは、コンバージョンに至るまでのユーザーの体験(感情・行動)を可視化したもので、フェーズごとにどんなコンテンツが必要になるのかを洗い出します。カスタマージャーニーマップ上で最も影響を持つポイント、すなわち顧客育成やコンバージョン促進につながるキラーコンテンツ設計ができるでしょう。
ユーザーが価値を感じるコンテンツの制作
コンバージョンにつなげるためには、商品やサービスの特長を明確にアピールすることが重要です。したがって、制作者自身が商品・サービスについて深く理解していなければなりません。
ユーザーの課題解決につながるか
コンテンツを読むことでどのような悩みを解消できるのか、結果的にどんなベネフィットが得られるのかを伝えます。ユーザーが本当に望んでいることを見極められていれば、より効果的な訴求が可能です。
ここで、制作側が伝えたいことばかりでなく、ユーザーが求める情報も提供できているかも確認しましょう。ユーザー視点から「知りたいこと」「タメになること」「魅力的に映ること」「理解できること」を盛り込むことが不可欠です。
そのためには、コンテンツ分析から、ペルソナ・カスタマージャーニーマップの見直しまで、事前作業を入念に行っておく必要があります。
他社にはないオリジナリティーやユニークさ
また、キラーコンテンツには、他社と差別化できる独自性も求められます。
競合他社コンテンツとの差別化や、バズマーケティングを狙うことができるためです。
たとえば、サクセスストーリーをマンガで表現したり、導入成功事例の再現VTRを配信したりといった施策がヒットするケースがあります。解説記事などテキストベースのコンテンツの場合は、ユーザーへの伝え方をよく検討する必要があります。
このように、どれだけ良いコンテンツであっても、内容を理解してもらえなければ期待するマーケティング効果は得られません。シンプルで分かりやすく、印象に残るような表現やイラストを採用することで、ユーザーがコンテンツの価値を感じやすくなるでしょう。
キラーコンテンツの活用方法
キラーコンテンツを制作できたとしても、それだけでCVや売り上げにつながるとは限りません。
むしろ、マーケティング戦略に基づいた活用がうまくいって初めて、キラーコンテンツの真価も発揮されるケースは多いものです。ここでは、キラーコンテンツの活用方法について解説します。
Webサイト内ページの適切な導線
自社サイトやオウンドメディアにおいては、キラーコンテンツを効果的に活用するために内部リンクを設置してユーザーを適切に誘導します。関連する記事や情報が多くある場合、リンク経由での導線作りには困らないでしょう。ただし、ユーザーが迷子にならないように、トピッククラスターを意識した内部リンクを形成する必要があります。
また、アクセス数やCV数の動向を定期的にチェックして、導線がうまく機能しているかを確認することも大切です。すでに成果が出ていたとしても、PDCAサイクルを繰り返すことでコンテンツマーケティングの精度をさらに高められる可能性があります。改善・最適化を続けて、盤石のコンテンツを目指していきましょう。
顧客エンゲージメントの強化
キラーコンテンツを活用することで、顧客エンゲージメントを強化することができます。
その方法の一つが「リターゲティング広告」です。WebサイトのCookieを使用し、一度コンテンツを訪れたユーザーを追跡して自社製品・サービスに関する広告を配信します。この手法により、ユーザーの再訪を促進することが可能です。
MAツールを用いることで、強く興味を示すユーザーや特定のセグメントに対して再販や再訪の動機づけを行うことができるため、メルマガ配信によって見込み客に直接コンテンツを届けると非常に効率的です。
Webコンテンツの場合には、ヒートマップツールを利用してユーザーの画面操作を可視化することもできます。可視化データからユーザーが特に興味を持つコンテンツのヒントを得てキラーコンテンツの更新や最適化を行い、効果の最大化を目指しましょう。
MAツールの効果やヒートマップツールについて知りたい方は以下もご参照ください。
SNS・メディアを活かしたキラーコンテンツの拡散
キラーコンテンツへの自然流入が少ない場合、ユーザーを集める施策を打たなければなりません。どんなに優れたコンテンツを制作しても、世の中に十分に知られていないのなら成果は限定的です。
キラーコンテンツを拡散・周知する方法としては、SNSや各種メディア、Web広告が挙げられます。特にX(旧Twitter)のようなSNSにはリポスト機能があり、短期間で非常に多くのユーザーへ拡散するポテンシャルがあります。
外部リンクの取得も流入を増やす手法を検討するのもいいでしょう。具体的にはほかのサイトへのリンク掲載の依頼や、プレスリリースの配信などです。良質な外部リンクはSEO効果も期待できます。
拡散のための施策を行ったら、各流入チャネルからのアクセス数や滞在時間などのデータ分析、および効果測定をします。このようにWebマーケティング活動を続けることで、バランスの良い流入チャネルの構築と、キラーコンテンツの成果につながるでしょう。
キラーコンテンツを作成・活用してCVを増やそう
キラーコンテンツを作成すれば、CVや売り上げの向上を図ることができます。作成するには既存コンテンツの分析を入念に行い、ユーザーのニーズや動向に仮説を立てることが必要です。その仮説を基にペルソナとカスタマージャーニーマップを再設定し、ユーザーが価値を感じるコンテンツを制作します。
キラーコンテンツを上手に活用するためには、Webサイト内ページでの導線の設置や顧客エンゲージメントの強化、SNSやWeb広告での拡散の施策も重要です。データ分析と各種ツールを駆使し、改善と最適化を繰り返してコンテンツマーケティングを成功させましょう。
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