近年、BtoBビジネスにおいてコンテンツマーケティングが注目されています。金額が大きいBtoBの商材では、コンテンツによる効果的な情報提供が企業の成功への鍵を握っていると言っても過言ではありません。
SEデザインは、約40年にわたり、外資系IT企業様を中心にコンテンツマーケティング支援を行ってまいりました。本記事では、コンテンツマーケティングの基本から、BtoBビジネスにおけるその役割と重要性について解説していきます。実践する場合の手順や成功のコツ、手法にも触れるため、コンテンツマーケティングでビジネスを一歩前進させるためのヒントが見つかるでしょう。
BtoBのコンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
そもそもコンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、自社が運営するメディアを通じて、見込み顧客にとって価値ある情報を提供し、将来的に見込み顧客から受注につなげていくマーケティング手法です。
このアプローチ方法は、従来の広告手法とは根本的に異なります。従来の広告が製品やサービスを直接宣伝するのに対し、コンテンツマーケティングでは、顧客が本当に知りたい情報や役立つ知識を提供するものです。そして、顧客の興味を引き満足度を上げることで、長期的な信頼関係を築いていくことを目的としています。
現在は、簡単に情報が手に入ることから、多くの消費者が製品やサービスについて、購入前に自分で検索して調べることが当たり前になりました。そのため、オンラインを介したコンテンツマーケティングは、今や一般的なマーケティング手法になってきています。
BtoBにおけるコンテンツマーケティングの考え方
BtoBの顧客が購入前にインターネットで情報を収集する点では、BtoCの顧客と変わりません。
BtoBの顧客も、製品やサービスに関する詳細、業界の動向、専門的な知識を求めて、オンラインで検索を行います。そのため、自社の製品やサービスが検索結果で上位に表示されることは非常に重要です。検索しても情報がない、もしくは上位に表示されていなければ、ビジネスの機会を逃すことになります。
一方、購入決定のプロセスはBtoBとBtoCでは大きく異なります。
BtoCでは、商品の単価が比較的低く、個人が短時間で購入決定を行うことが一般的です。一方BtoBでは、製品やサービスの単価が高く、購入決定には通常、複数人の承認が必要となります。これにより、検討期間が長期化し、購入プロセスがより複雑になるのがBtoBでの取引の特徴です。
BtoBの顧客は製品やサービスに関する詳細な情報を必要とし、その情報を基に複数人での検討を行います。その際に、自社が高品質なコンテンツを提供していれば、見込み顧客に対して製品やサービスの価値を伝え、その決定プロセスをサポートできるでしょう。
また、顧客のニーズや疑問に答えることで、信頼関係を築き、競合他社との差別化を図ることも可能です。BtoBにおけるコンテンツマーケティングは、見込み顧客に対して自社の存在を認知させ、長い検討プロセスを通じて最終的な受注に結びつけるための重要な役割を果たしているといえます。
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの役割
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの役割は以下の2つです。
- リードジェネレーション(リードの獲得)
- リードナーチャリング(リードの育成)
それぞれを下記で詳しく解説していきましょう。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み客(リード)を獲得するためのマーケティング手法のことです。潜在顧客の課題を解決するコンテンツを用意することで、関心を引き、見込み客を獲得します。
たとえば、業界のトレンドを解説したホワイトペーパーや、課題解決を具体的に示す導入事例などを活用することで、潜在顧客に価値を提供する代わりに、リード情報を得ることができます。
戦略的に取り組みを続けることで、営業部門が効率的にフォローアップできる状況が整い、継続的なリード獲得につながります。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客(リード)と継続的に接触し、リードの関心を深めながら購買意欲を高めるマーケティング手法のことです。
関心度の低い段階では業界動向を解説するブログ記事やメールマガジンで情報提供し、関心度が高まってきた中期以降は、課題解決を示すホワイトペーパーや導入事例でより具体的な情報を展開する、といった取り組みが挙げられます。
BtoB企業でコンテンツマーケティングが重要な5つの理由
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの重要性について、以下の主なポイント5つを見ていきましょう。
- 中長期にわたり顧客との関係を継続できる
- 比較的低コストで始められる
- ブランディングにも効果がある
- コンバージョン率が向上する
- 潜在層にもアプローチできる
中長期にわたり顧客との関係を継続できる
コンテンツマーケティングは中長期的な視点で顧客との関係を築くことが可能です。BtoBビジネスでは、製品やサービスの購入決定に時間がかかるため、長期間にわたって顧客とコミュニケーションを取り続けることが受注へのカギとなります。
顧客のフェーズ(検討段階)に合わせて、顧客が必要とする情報を提供することで関係を強化し、最終的に購入につなげることが可能です。また、購入確度の高い見込み顧客には、営業チームから直接アプローチすることで、受注の確率を高められます。
比較的低コストで始められる
コンテンツマーケティングは、ほかのマーケティング手法と比較して、低コストで始められます。ブログの開設、記事や動画の制作、SNSの運用などは、社内のリソースを活用することでも対応可能です。
コンテンツマーケティングは費用を抑えながらスタートでき、成果が出はじめたら外部の専門家を活用してさらに展開を広げることもできるでしょう。この柔軟性は、とくにスタートアップや中小企業にとって魅力的です。
ブランディングにも効果がある
コンテンツマーケティングは、製品やサービスを宣伝するだけでなく、企業の専門性や強みをアピールする機会としても有効です。顧客にとって有益な情報を一貫して提供し、企業は業界の専門家としての地位を築くことができるでしょう。
徐々に信頼性が高まり、最終的には製品やサービスの購入へとつながりやすくなります。また、こうしたブランディングは、長期的な顧客ロイヤリティーの構築にも寄与します。
コンバージョン率(CVR)が向上する
コンテンツマーケティングによって、コンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。コンバージョン(CV)とは、Webサイトや広告へ訪問した方が、各企業が必要であると定義した「商品の購入」や「問い合わせ」といったアクションを、達成することを指します。
コンバージョン率を向上させるには、自社の商品やサービスが、ユーザーの抱えている課題を解決できることを伝える必要があります。コンテンツマーケティングの考え方の基本でもありますが、「ユーザーの課題を解決する」「ユーザーが求める情報を発信する」という視点は重要なポイントです。
潜在層にもアプローチできる
コンテンツマーケティングは、潜在層に効果的にアプローチをすることができます。潜在層とは、具体的な商品やサービスの検討に至っておらず、広く情報収集をしている層です。
潜在層は、自分に必要な商品やサービスがわかっておらず、商品やサービスを知ることにより、自分の課題や欲求に気づく場合がほとんどです。
こういった潜在層は、具体的な検索ワードを使わないため、広告活用も有効です。潜在層を対象にした場合の広告には、ディスプレイ広告、純広告、アフィリエイト広告、SNS広告などがあります。これらの広告を効果的に運用するためには、ROAS(広告の費用対効果)を意識することが重要です。
BtoBのコンテンツマーケティングを成功に導く5ステップ
BtoBでコンテンツマーケティングを導入する際には、計画的なアプローチが重要です。ここでは、効果的なコンテンツマーケティング戦略の基盤を築くための以下5つのステップをみていきましょう。
- 目的とゴールを明確にする
- ペルソナを設定する
- KGIとKPIを設定する
- プラットフォームを用意する
- コンテンツを制作する
1.目的とゴールを明確にする
コンテンツマーケティングの目的や期待される結果を明確に定義します。たとえば、ブランド認知度の向上やリード獲得、顧客関係の強化などです。
ただし、季節が関係するキャンペーンなど短期間で売り上げを上げることが目的であれば、コンテンツマーケティングよりも広告出稿の方が適しているといえます。まずは目的を明確にし、コンテンツマーケティングでそれが達成できるかを検討しましょう。
2.ペルソナを設定する
理想的な顧客像(ペルソナ)を作成し、ニーズや懸念事項、行動パターンを詳細にイメージします。どのような層の顧客が自社製品を購入するのかを把握しておくことで、誰に向かってどのような情報を届ければよいのか明確化できます。ペルソナを設定した場合は、商品認知から購入までのカスタマージャーニーを作成し、得た情報をコンテンツ制作の基盤として活用しましょう。
3.KGIとKPIを設定する
目的に基づいて、全体的な目標(KGI)を定め、その達成度を測定するための具体的な指標(KPI)を設定し、次のような項目を管理していきます。
- KGIの例:問い合わせ数、資料ダウンロード数、メルマガ登録数
- KPIの例:Webサイトのトラフィック、リード獲得数、SNSでのエンゲージメント
4.プラットフォームを用意する
コンテンツマーケティングに適したプラットフォームを準備しましょう。企業のWebサイトやブログ、SNSアカウント、YouTubeなどの動画プラットフォームが含まれます。ペルソナの属性を意識して、どのプラットフォームなら情報が届きやすいかを考えて選択しましょう。
5.コンテンツを制作する
プラットフォームに掲載するコンテンツを制作しましょう。これには記事の公開や動画・SNSの投稿などが含まれます。
コンテンツの制作は、全て自社で行うことも可能です。しかし、ほかの業務もあるなかで制作の時間が取れない、効果的なコンテンツをどのように作ればよいか分からないといった悩みがある場合は、外部の制作会社に相談してみましょう。
BtoBのコンテンツマーケティングを成功させる5つのポイント
BtoBコンテンツマーケティングで成果を上げるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、BtoBコンテンツマーケティングの以下5つのコツをみていきましょう。
- ユーザーファーストを意識する
- ダウンロード型コンテンツを拡充させる
- 社内体制を整える
- 効果を測定し、改善を繰り返す
- 長期的な視点で取り組む
ユーザーファーストを意識する
自社製品の特徴や利点を伝えるだけでなく、「ユーザーが何を知りたいか」「何に悩んでいるか」に焦点を当て、それを解決するようなコンテンツを提供することがポイントです。
ユーザーファーストを心がけ、役に立つコンテンツになっているかを意識しながら配信しましょう。たとえば、特定の業界の課題に対する洞察、製品の活用法、業界トレンドなど、ユーザーにとって有益な情報を提供できれば、より関心を集められるでしょう。
また、専門用語が多くないか、読みにくい文章になっていないかなどを確認し、ユーザーにとって分かりやすい内容にすることも重要です。BtoBの商材は専門知識が必要になる場合が多いため、「見込み顧客が読んで理解できる内容になっているか」もよく確認しましょう。
ダウンロード型コンテンツを拡充させる
BtoBマーケティングでは、見込み顧客(リード)の情報を得たうえで、継続してコミュニケーションを取る必要があります。
情報を得る手段としてはダウンロード型コンテンツを用意するのが効果的といえるでしょう。資料のダウンロードにつなげる場合は、会社名・氏名・メールアドレスなどの連絡先の項目を設けましょう。見込み顧客のリード情報を獲得し、のちのマーケティング活動やセールスに活用できます。
ダウンロード型コンテンツにもさまざまな種類があります。たとえば、アンケート結果をまとめた調査レポート、業界レポート、使い方ガイド、ケーススタディなどが挙げられます。価値ある情報を提供することで、見込み顧客に自発的に情報を提供してもらいやすくなります。
社内体制を整える
コンテンツマーケティングにおける成功のカギは継続です。定期的にコンテンツを更新するためには、適切な人員配置とリソースが必要です。コンテンツ配信を続けられる体制を構築していなければ、更新が止まってしまうこともあります。計画的なスケジュールを立て、適切な担当者を配置しましょう。
たとえば、記事の執筆を例に挙げると、企画、構成案作成、執筆、校正、編集、入稿など多くの工程があります。各工程を担当者が管理できれば、一貫性のあるコンテンツ提供をしやすくなるでしょう。人員やノウハウが不足していると感じたら、外部に依頼する方法もあります。外部のライターやエージェンシーとの協力も、コンテンツの質を高める一つの方法です。
効果を測定し、改善を繰り返す
コンテンツを提供した後は、定期的に効果測定を行い、目標達成に向けて改善を続けることが重要です。Webサイトのトラフィックやエンゲージメント、リード獲得数などのKPIを監視し、成果が低いコンテンツに対しては改善策を検討しましょう。
改善を繰り返すことで、コンテンツマーケティングの精度を高められます。リード情報管理や効果分析には、MAやSFAなどのITツールを活用することで、より効果的なコンテンツ戦略を策定可能です。
長期的な視点で取り組む
コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではありません。効果が見えるまでには半年から1年以上の時間を要することもあります。そのため、短期間で成果が出ないと感じても、焦らずに取り組みを続けることが大切です。「効果が出ないから」と打ち切りにしたりせず、配信が滞らないようにしましょう。
記事制作やSNS、動画配信などを同時に始めるのは負担が大きいという場合には、まずはスモールスタートし、徐々に拡大していくアプローチもあります。また、外部に戦略設計から相談してみるのもおすすめです。
BtoBにおけるコンテンツマーケティングの成功事例
BtoBにおけるコンテンツマーケティングで成功するためには、他社の事例を参考にするとよいでしょう。今回は以下5社のコンテンツマーケティング成功事例を紹介します。
- freee株式会社
- HubSpot Japan株式会社
- NEILPATEL(NP Digital)
- アドビ株式会社
- 株式会社SEデザイン
freee株式会社
freee株式会社は、中小企業や個人事業主向けのクラウド会計ソフトを提供する、SaaS事業の先駆的企業です。同社のマーケティング戦略の特徴は、徹底的に顧客の課題に寄り添うコンテンツ戦略にあります。
特に注目すべきは、同社のオウンドメディア戦略です。「開業届」「会社設立」といった、創業を検討する起業家が関心を持つキーワードでSEO上位を獲得することに成功しています。これらの検索キーワードで高い順位を獲得し、潜在顧客に価値ある情報を提供することで、無料ツールへの誘導、そして最終的な有料サービスへの契約につなげる仕組みを構築しています。
SEO対策にとどまらず、メルマガやホワイトペーパーなど、多角的なコンテンツマーケティング手法を駆使している点も特徴です。さらに、オウンドメディア以外の広告にも大胆に投資し、複合的なマーケティングアプローチを展開していることが、同社の成功の鍵といえるでしょう。
HubSpot Japan株式会社
HubSpot社は、BtoB企業のマーケティングを革新するオールインワンプラットフォーム「HubSpot」を提供する企業です。HubSpotは、世界135か国以上、22万社を超える企業に採用されています。
同社のマーケティング戦略の核心は、高度に洗練されたオウンドメディア運営にあります。SEOを戦略的に活用し、マーケティング、セールス、カスタマーサービスに関する複数の重要キーワードで検索上位を獲得しています。コンテンツの質の高さと、ユーザーのニーズを的確に捉えた情報提供が、その成功の秘訣となっています。
オウンドメディアには、eBookやホワイトペーパーなどのオファーコンテンツを戦略的に配置し、ユーザーを製品の導入検討へと自然に誘導する緻密な導線設計がなされています。これにより、潜在顧客に対して価値ある情報を提供しながら、自社ツールへの関心を効果的に喚起しています。
NP Digital(Neil Patel)
Neil Patelは、デジタルマーケティングの世界でも影響力の大きい専門家の一人として知られています。彼が創業したNP Digital社が提供するSEOツール「Ubersuggest」は、そのマーケティング戦略の象徴的な製品と言えます。
Ubersuggestは、SEO対策に不可欠なサイト情報とキーワードデータを提供する革新的なツールです。単なるツール提供にとどまらず、ユーザーをNeil Patelのコンサルティングサービスへと自然に誘導する仕組みを構築しています。
SEOを主軸とした集客戦略により、Ubersuggestは多様な検索キーワードで上位表示を実現しています。検索エンジンからの継続的な集客を成功させているほか、ツールの使いやすさと、競合分析やロングテールキーワード提案などの豊富な機能が、ユーザーから高い支持を得る要因となっています。
アドビ株式会社
アドビ株式会社は、動画や画像の編集、デザインなどができるさまざまなツールを提供している企業です。
同社のマーケティング戦略の特徴は、潜在顧客の深いニーズを理解し、それに応える高品質なコンテンツの制作にあります。オウンドメディアでは、単なる製品紹介にとどまらず、ユーザーにとって真に価値ある情報を提供しています。SEOを緻密に最適化したブログ記事やホワイトペーパーにより、検索エンジン経由の流入を劇的に増加させました。
その成果は数字に明確に表れています。コンテンツ戦略の実行により、サイト訪問者数は24倍、SEO経由のコンバージョン数は13倍にまで拡大しました。単なる製品販売を超え、顧客との深いエンゲージメントを実現しています。
株式会社SEデザイン
株式会社SEデザインは、約40年にわたり、BtoB企業を中心としたコンテンツマーケティング支援を行っています。外資系IT関連企業のクライアントが多く、特に導入事例制作において高く評価されています。
3つのオウンドメディアを運営しており、主に、SEOでユーザーをオウンドメディアへ集客し、関連する自社のサービスへの導線を作ることで、新規リードの獲得につなげています。
より詳しく、より多くの成功事例をご覧になりたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。
詳しい成功事例はこちら
BtoBコンテンツマーケティングを成功させる6つのコンテンツ
ここでは、BtoBにおけるコンテンツマーケティングの具体的なコンテンツについてみていきましょう。効果的なコンテンツマーケティングを実施できれば、見込み顧客に対する関係構築やブランド認知度の向上につながります。
記事コンテンツ
見込み顧客が検索すると想定されるキーワードを使用し、高品質なコンテンツを制作したうえで、検索エンジンでの上位表示を目指します。
たとえば、「マーケティングオートメーション おすすめ」というキーワードで記事を作成し上位表示させることができれば、マーケティングオートメーションの導入に興味のある人に記事を届けられるでしょう。
コンテンツSEOが成功すれば、Webサイトへのトラフィックが増加し、ブランド認知度が向上します。BtoBでも購入前に検索で情報収集することは一般的になっているため、SEOは重要な施策といえるでしょう。
メールマガジン
メールを活用したマーケティングは、長期的に見込み顧客と関係を継続したいBtoBビジネスでは効果的です。登録者に対して定期的にメールマガジンを送付することで、顧客との関係維持につながります。
また、MA(マーケティングオートメーション)などのツールを用いることで、顧客の行動に応じてカスタマイズしたメールの配信も可能です。ターゲットの属性や行動履歴に応じてメール内容を変更し、よりパーソナライズされた情報を提供できます。
たとえば、工場での自動化用センサーや測定機器を製造・販売している株式会社キーエンスでは、現場で役立つ知識や改善事例などのお役立ち情報をメールマガジンで配信しています。
ホワイトペーパー・eBook
見込み顧客の悩みに沿った有益な情報をまとめたホワイトペーパー・eBookは、検討段階の顧客に有効です。「いきなり問い合わせをするのはハードルが高い」と考えている見込み顧客であっても、ダウンロードのみであれば心理的ハードルは低くなります。
たとえば、CRM(顧客関係管理)を提供しているHubSpotでは、顧客のニーズに合わせたさまざまなホワイトペーパーを提供しています。製品紹介資料だけでなく、マーケティングに関する最新の調査レポート、業務に役立つノウハウ資料、事例紹介などニーズに合わせて選択可能です。
セミナー・ウェビナー
製品やサービスに関するセミナーやウェビナーの開催は、リードナーチャリングに役立ちます。見込み顧客の製品・サービスの検討状況に応じたテーマを設定し、関心を高めていきます。
オンラインで開催されるウェビナーは地理的な制約がなく、参加のハードルも低いため、多くの顧客にリーチできます。また、録画をアーカイブでダウンロードできるようにする、記事化して掲載するといった方法で別のコンテンツにも活用できるでしょう。
導入事例
導入事例は、製品・サービスを導入した企業に、導入の背景や導入後の効果を取材し、簡潔にまとめたコンテンツを意味します。導入事例をわかりやすく解説できれば、顧客は具体的な利用シーンをイメージしやすくなり、導入への不安を払拭できるでしょう。また、多くの企業が導入していることをアピールできれば、企業への信頼性も高まります。
株式会社マネーフォワードでは、法人向けの「マネーフォワードクラウド」について数多くの導入事例を掲載しています。「導入サービス」「業種」「事業規模」「特徴」などから検索できるため、自社の状況に近い事例を見つけやすい工夫がされているといえるでしょう。
SNS・動画
SNSや動画プラットフォームを活用したコンテンツマーケティングは、BtoBでも効果的です。X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、YouTube、TikTokなどのプラットフォームを活用しながら情報を発信します。
SNSは、ユーザー同士が気軽に交流できることから自社のファン形成に適しています。動画はテキストを読まなくても伝えられるため、複雑な仕組みの商材の紹介などにも向いているでしょう。
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRは、FacebookやXで、プレスリリースやイベント情報、採用案内などの情報を発信しています。また、YouTubeでは、製品の機能や、導入事例などを紹介しています。
BtoBコンテンツマーケティングに関するよくある質問
BtoBコンテンツマーケティングに関するよくある質問について詳しく回答していきます。
予算が限られているので何から始めたらいいかわからない
予算が限られている場合は、小規模から段階的に始めることをおすすめします。低コストでターゲット層に届く施策としては、ブログやSNSが最適な選択肢となります。
また、戦略設計に不安がある場合は、専門家の助言を積極的に活用しましょう。やみくもに自力で施策を行うより、一度専門家に相談し、ヒントや具体的な進め方のアドバイスを受けてから始めた方が、結果的に効率的で効果的なアプローチが可能となるでしょう。
最初の目標は、小さくても確かな成功事例を作ることです。成功事例を積み上げることで、次回以降の施策に対する予算確保の根拠となります。小規模から開始し、スモールステップで着実に成果を目指しましょう。
ただし、コンテンツマーケティングの市場規模は、ユーザーの情報収集手段の変化に伴い、年々大きくなっています。事業の規模や成長戦略によっては、競合他社と同等以上のコンテンツマーケティング投資を検討し、スピーディーに取り組む必要がある可能性もあります。
自社で運営する場合は何人体制でやるべき?
コンテンツマーケティングを自社で運営する場合、組織体制は事業の規模と目標に応じて柔軟に設計することが重要です。理想的な体制は、「企画担当」「SEO担当」「SNS運用担当」など、明確な役割分担を設けることです。
企業の規模に応じた運営モデルとして、少人数で始める場合は、1〜2名の専任スタッフが各業務を兼任するアプローチが現実的です。一方、大規模な施策を展開する際は、各分野の専門スキルを持つメンバーでチームを編成し、より高度な戦略を実現できます。
コンテンツの企画方法が分からない
効果的なコンテンツ企画には、コンテンツマーケティング戦略に基づいた緻密な設計が不可欠です。ターゲット顧客の潜在的な課題を徹底的に分析し、それに直接応える解決策を提示するコンテンツ制作を心がけましょう。
具体的には、業界の最新トレンドを分析し、顧客が真に求めているや顧客にとって有益な情報を盛り込んだホワイトペーパーや導入事例の企画が有効です。顧客視点に立った、価値ある情報提供が成功の鍵となります。
まとめ:BtoBのコンテンツマーケティングのポイントを理解し成果につなげよう
この記事では、BtoBでのコンテンツマーケティングについて、基本的な考え方や導入ステップ、成果を上げるためのコツ、具体的な手法について解説しました。
BtoBにおけるコンテンツマーケティングは、見込み顧客との信頼関係を構築し、長期的なビジネスの成果をもたらすために必要な要素の一つです。しかし、コンテンツマーケティングは短期間での成果が出るものではないため、長期的な視点で持続的な制作と改善が必要です。事前に目的やペルソナを明確にし、見込み顧客にとって有益な情報を提供していきましょう。
SEデザインは、約40年にわたって、BtoB企業のコンテンツマーケティング支援を行ってまいりました。とくに外資系大手IT企業との取引実績が豊富で、ITへの知見とコンテンツ力を高く評価いただいております。「戦略的なコンテンツマーケティングを実施したい」「社内でコンテンツを制作しているが良い結果につながらない」などのお悩みをお持ちであれば、お気軽にSEデザインにご相談ください。